切除不能局所進行非小細胞肺癌LA-NSCLC)に対する化学放射線療法において、UFT+シスプラチン(CDDP)療法は、ビノレルビン(VNR)+CDDP療法と比較して有効性と安全性が良好であることが、フェーズ2無作為化試験から示された。11月3日、4日と広島市で開催された第51回日本肺癌学会総会(JLCS2010)で、東北大学病院呼吸器内科の榊原智博氏が、北日本肺癌臨床研究会(NJLCG)を代表して発表した。

 LA-NSCLCに対する化学放射線療法において、UFT+CDDP療法とVNR+CDDP療法は、小規模な前向き試験で有効性と安全性が示されている。

 榊原氏らは、LA-NSCLCにおける化学放射線療法のフェーズ3試験に向けた至適レジメンを選択することを目的として、UFT+CDDP療法とVNR+CDDP療法の有効性と安全性を比較検討した。

 主要評価項目は奏効率(ORR)、副次的評価項目は無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)、毒性プロファイルとした。

 UFT+CDDP療法群(UP群)では、UFT 400mg/m2を1〜14日目に、CDDP80mg/m2を8日目に投与し、4週ごとに2コース行い、可能な患者にはさらに2コースを行った。一方、VNR+CDDP両方群(NP群)では、VNR 20mg/m2を1、8日目に、CDDP 80mg/m2を1日目に投与し、4週ごとに2コース行い、可能な患者にはさらに2コース行った。いずれの群も、放射線照射は2Gyで週5日、6週間行い、計60Gyとした。

 UP群35人(うち男性28人、年齢中央値62歳)とNP群31人(同26人、61歳)で評価を行った。UP群、NP群ともに腺癌が最も多く、それぞれ17人、19人だった。ステージIIIAとIIIBは、UP群で13人と22人、NP群で11人と20人だった。両群ともに化学療法のコース数の中央値は3コース、照射線量の中央値は60Gyだった。

 試験の結果、完全奏効(CR)と部分奏効(PR)は、UP群で6%と74%、NP群で3%と68%となった。主要評価項目であるORRはUP群80%(95%信頼区間;67〜93)、NP群71%(95%信頼区間;55〜87)となった。安定(SD)はUP群20%、NP群23%だった。

 PFSの中央値はUP群8.1カ月、NP群6.3カ月、OSの中央値は26.6カ月と23.9カ月となった。

 血液毒性は、UP群ではグレード3以上の白血球減少が23%、好中球減少が20%に発現した。NP群では61%と58%で、UP群の方が有意に低い結果となった(いずれもp<0.01)。非血液毒性は、グレード3以上の有害事象の発現状況は両群でほぼ同様であったが、NP群の2人にグレード5の放射線肺臓炎による治療関連死を認めた。

 榊原氏は、「LA-NSCLCに対する化学放射線療法において、当グループは、UFT+CDDP療法(UP)を今後のフェーズ3試験の試験治療群の候補として選択する予定」と述べた。