骨転移とそれに続く骨関連事象(SRE)は患者のQOLを悪化させるが、進行肺癌患者において、肺癌の診断から約10カ月におよそ4割で骨転移が認められ、このうち半数ではSREを発現していることが、骨転移とSREに関する前向き調査研究(CSP-HOR13)の中間解析で示された。また65歳以上の高齢者では骨転移もSREも若年者に比べて低頻度であることも分かった。先端医療センター病院(神戸市)の藤田史郎氏らが、11月3日、4日と広島市で開催された第51回日本肺癌学会総会(JLCS2010)で発表した。

 対象は、登録前2カ月以内に新たに診断された小細胞肺癌あるいは臨床病期ステージ3b/4期の非小細胞肺癌患者。2007年4月から2009年12月までに277人が登録され、274人について解析が行われた。小細胞肺癌が77人、非小細胞肺癌ではステージ3b期が73人、ステージ4期が124人だった。SREは、病的骨折、骨病変に対する放射線治療、骨病変に対する外科的手術、脊髄圧迫、高カルシウム血症と定義された。

 観察期間中央値は10.3カ月。登録時に骨転移が陽性だった患者は78人(全体の28.5%)で、このうち24人(31%)はすでにSREが陽性だった。骨転移陽性例のうち観察中に11人で新たにSREが発現し、経過観察中に合計で35人(45%)にSREが認められた。

 一方、登録時に骨転移がなかった196人のうち、その後出現した患者は31人(15%)で、このうち観察中にSREが発現したのは14人(45%)だった。

 65歳以上と65歳未満でわけると、骨転移もSREも、65歳以上の方が発現頻度は有意に低かった(p=0.008、p=0.005)。

今後、QOLなど詳細な解析を行い、最終報告は来年以降になる見込みだという。