進行・再発肺腺癌に対する二次、三次治療として、ゲフィチニブS-1併用療法は安全に行うことができ、かつ有効性も期待できることがフェーズ1試験で示された。近畿大学医学部附属病院腫瘍内科の清田秀美氏らの研究グループが、11月3日、4日と広島市で開催された第51回日本肺癌学会総会(JLCS2010)で発表した。

 研究グループでは、ヒト肺癌細胞株を使ったin vitro、in vivoの実験から、EGFR遺伝子変異の有無にかかわらず、ゲフィチニブが腫瘍のチミジン合成酵素(TS)の発現を低下させ、S-1への感受性を高めることで、S-1の効果を増強させることを報告している。

 フェーズ1試験は、1〜2レジメンの化学療法を受けているPS 0/1の肺腺癌患者を対象とした。投与はまず導入コースとして、ゲフィチニブ250mgを連日投与し、14日間継続した。その後、ゲフィチニブ250mgに加え、S-1を2週投与1週休薬のスケジュールで投与した。

 試験は、第1ステージと第2ステージに分けられ、第1ステージでは第2ステージのための推奨用量の決定を、第2ステージでは推奨用量忍容性の確認が行われた。

 第1ステージにおいて、S-1 60mg/m2(レベル1)を投与した3人では用量制限毒性(DLT)発現は0人だが、80mg/m2(レベル2)を投与した6人ではDLTとしてグレード3のALP上昇とAST/ALT上昇が各1人認められた。なお2人とも休薬などの対応で改善したという。このため推奨用量はゲフィチニブ250mg/日、S-1 80mg/m2/日と決定された。

 第2ステージでは人数を加えて、合計17人にゲフィチニブとS-1が投与された。その結果、主な有害事象は皮膚障害、食欲不振、下痢、口内炎、倦怠感、総ビリルビン上昇、AST/ALT上昇などで、ほとんどがグレード1/2だった。グレード3の有害事象はAST/ALT上昇、ALP上昇、口内炎が各1人であった。

 投与サイクル数中央値は5回(1から17回)、減量を行ったのは4人、病勢進行による治療中止が8人、毒性による中止が8人(うち患者希望が5人)で、治療を継続しているのは1人だった。

 レベル2における抗腫瘍効果は完全奏効(CR)が2人、部分奏効(PR)が8人、病勢安定(SD)が3人、病勢進行(PD)が4人で、奏効率は59%、病勢制御率は76%となった。EGFR遺伝子変異でわけると、EGFR変異陽性の8人ではCRが2人、PRが5人、PDは1人(脳転移)であり、奏効率は88%だった。