血漿中の6種類のアミノ酸濃度を測定し、特定の係数を掛け合わせるなどして算出するアミノ酸インデックスが肺癌のスクリーニングに有用である可能性が示された。多施設共同試験の結果で、既存の腫瘍マーカーよりも検出能が高いという。11月12日と13日に都内で開催された日本肺癌学会で千葉県がんセンターの新行内雅斗氏が発表した。

 研究グループは、肺癌患者群として、3施設で2007年から2009年に非小細胞肺癌の確定診断を受けた治療前患者331人を設定。対照群として、2施設における2008年から2009年の人間ドックの受診者6160人を設定した。まず肺癌患者群から検体取得順に130人を抽出し、対照群から年齢、性別の一致する650人を抽出。質量分析計(LC-MS)で血漿中アミノ酸濃度を測定し、肺癌患者群と対照群を判別できるアミノ酸の組み合わせと計算式を求め、そこから得られる数値をアミノインデックスとした。残りの検体(患者群201人、対照群5510人)はアミノインデックスの判別能の再現性評価に利用した。

 その結果、肺癌のアミノインデックスを求める計算式として、グルタミン、アラニン、イソロイシン、ヒスチジン、トリプトファン、オルニチンの6種類のアミノ酸濃度をパラメーターとするものが得られた。再現性評価の試験でも肺癌の判別能は同等で、特異度90%のカットオフ値で、感度は44.7%だった。

 既存の腫瘍マーカー(CEA、CYFRA、CA19-9)と比較したところ、全症例および各ステージ(1期、2期)で、アミノインデックスはいずれの腫瘍マーカーよりも高い陽性率を示した。今回の結果を受けて、味の素は実用化に向けた開発を進める予定だ。