ドセタキセルS-1の併用療法は、再発または前治療が無効だった非小細胞肺癌患者に対するセカンドライン、サードラインの治療として有効かつ安全と考えられる。11月12日から13日に東京都で開催された第50回日本肺癌学会総会で、京都大学医学部附属病院外来化学療法部の挾間恵氏がフェーズ2試験の結果から発表した。

 ドセタキセルは非小細胞肺癌に対し広く使用されている第三世代の抗癌剤だが、セカンドライン治療に使用した場合に報告されている成績は、奏効率5〜6%、生存期間中央値5.5〜7.5カ月、1年生存率19〜37%で、満足できるものとはいえない。

 しかし、ドセタキセルとフルオロウラシルを併用した場合、抗腫瘍効果が増強することについて前臨床試験および臨床試験で多くの報告がある。また、5-FU系抗癌剤のS-1は単剤でも非小細胞肺癌に抗腫瘍効果を示し、単独での奏効率は12.5〜22.0%と高い。

 このような背景から挾間氏らは、再発または前治療が無効だった既治療非小細胞肺癌患者を対象にドセタキセルとS-1の併用療法を行い、効果と安全性を検討するフェーズ2試験を実施した。主要評価項目は腫瘍縮小効果とし、副次的評価項目は無増悪生存期間(PFS)、生存期間、有害事象とした。

 前治療は2レジメン以内であることとし、術後補助化学療法のUFTはレジメンに含めないこととした。

 対象は38人となり、そのうち男性は23人、年齢中央値は65歳だった。組織型は腺癌30人、扁平上皮癌4人、ほか4人で、患者の半数がステージIVだった。前治療で白金系抗癌剤が用いられたのは37人に上り、本併用療法がセカンドラインとなるのは23人、サードラインとなるのは15人だった。

 治療スケジュールは、1日目にデキサメタゾン2〜8mgを前投薬として投与した後、ドセタキセル40mg/m2の点滴を行い、S-1 80mg/m2を同日の朝から14日投与後7日休薬し、21日を1サイクルとした。進行(PD)または治療継続が困難な毒性が発現するまで、この治療を継続した。

 その結果、完全奏効(CR)はなかったが、部分奏効(PR)7人(18.4%)、安定状態(SD)25人(65.8%)、PD6人(15.8%)となった。奏効率は18%だった。PFSの中央値は4.4カ月、1年生存率は60%、全生存期間(OS)の中央値は16.1カ月だった。

 治療関連有害事象は、血液毒性ではグレード3以上の好中球減少が19人(52%)に発現。非血液毒性ではグレード3以上の粘膜炎が4人(11%)、食欲不振が5人(13%)に発現した。いずれも耐容可能で、治療関連死はなかった。

 挾間氏らは現在、ドセタキセル単剤療法の多施設無作為化フェーズ3試験も進めている。