ペメトレキセドとカルボプラチンの併用療法は、進行非小細胞肺癌の患者に安全に投与でき、抗腫瘍効果も認められることが国内フェーズ1試験で明らかになった。大阪市立総合医療センター臨床腫瘍科の駄賀晴子氏が11月12日から13日に東京で開催された第50回日本肺癌学会総会で発表した。

 進行非小細胞肺癌の一次治療には、白金系製剤を含む2剤併用療法が標準的に行われており、海外の試験でもペメトレキセドとカルボプラチンの併用で忍容性が認められている。フェーズ1試験で安全性と有効性が確認されたことから、実地医療でもこれら2剤併用療法の普及が進みそうだ。

 フェーズ1試験の対象は、化学療法による治療歴のないステージ3Bまたは4期の非小細胞肺癌患者で、術後再発の患者も含まれた。また登録条件として20〜75歳で、ECOG PSが0〜1とした。

 投与スケジュールは、21日を1コースとして、第1日目にペメトレキセド(500mg/m2)を10分間かけて点滴静注し、カルボプラチン(AUC5〜6)は30分以上かけて点滴静注して、最大で6コースまで継続した。その後部分奏効(PR)および安定状態(SD)の症例では、ペメトレキセド単剤による維持療法を行った。

 フェーズ1試験は二つのステージからなり、第1ステージでは1コホート3人ずつで併用療法の安全性および臨床推奨用量を検討し、第2ステージでは患者数を増やして、臨床推奨用量を投与した。

 用量制限毒性(DLT)基準は、7日間以上持続するグレード4の好中球数減少、発熱性好中球減少症、グレード4の血小板数減少、血小板輸血もしくは出血を伴うグレード3の血小板数減少、さらにグレード3以上の非血液毒性が発現した場合と設定した。

 まずコホート1で、ペメトレキセド500mg/m2とカルボプラチンAUC5を3人に投与したところ、1人でDLT(グレード4の血小板数減少)が発現した。さらに3人を追加した結果、DLTは出現しなかった。そこで、コホート2に移行し、ペメトレキセド500mg/m2とカルボプラチンAUC6を6人に投与したところ、DLTは見られなかった。このため、臨床推奨用量はペメトレキセド500mg/m2とカルボプラチンAUC6となった。続く第2ステージでは、8人を追加し、臨床推奨用量による治療を行った。

 最終的に、カルボプラチンAUC5を投与した6人(以下、AUC5群)で、4コース完遂率は83%、6コース完遂率は67%、AUC6を投与した14人(以下、AUC6 群)では、それぞれ86%、50%だった。また維持療法に移行した患者の比率は、AUC5群では50%、AUC6群では36%だった。

 抗腫瘍効果は、AUC5群で評価できた5人においてPRが4人、AUC6群では14人中8人に部分奏効が認められ、奏効率はAUC5群では80.0%、AUC6群では57.1%、全体では63.2%となった。またAUC6群でSDが4人に認められた。無増悪生存期間は中央値が7.6カ月(95%信頼区間:4.8-8.0)だった。

 グレード3/4の有害事象は、血液毒性では、AUC5群では好中球数減少が5人、ヘモグロビン減少が3人、血小板数減少が3人、白血球数減少が1人で、AUC6群では好中球数減少が10人、ヘモグロビン減少が7人、血小板数減少が6人、白血球数減少が2人。非血液毒性ではグレード4の有害事象はなく、グレード3ではAUC5群で食欲不振が1人、AUC6群で食欲不振が1人、嘔吐が1人、悪心が1人、ALT上昇が1人だった。

 以上の結果から、日本人の非小細胞肺癌において、ペメトレキセド500mg/m2とカルボプラチンAUC5の併用療法、およびペメトレキセド500mg/m2とカルボプラチンAUC6の併用療法は安全に行えることが確認され、臨床推奨用量はペメトレキセド500mg/m2とカルボプラチンAUC6と結論付けられた。

 「奏効率と無増悪生存期間の結果から有効性が期待される。点滴静注の時間が短いため、外来化学療法の主流になりえるのではないか」と駄賀氏。また投与によって脱毛が見られなかったことから、「女性の患者さんにも使いやすいのではないか」と語った。今回得られた臨床推奨用量によるフェーズ2試験も計画しているという。