米国の主だった癌医療機関では、今後の分子標的薬の標的となり得る分子の変異解析を、肺癌で通常行う検査に含め、医療機関同士でその情報を共有するネットワークが構成されつつあることが明らかになった。11月12日から13日に東京で開催されている日本肺癌学会で、静岡がんセンター呼吸器内科の山本信之氏がシンポジウム2「分子標的治療の基礎と臨床」の中で説明したもの。同氏は日本でも早く同様のネットワークを作り、患者のELM-ALK遺伝子、BRAF遺伝子、KRAS遺伝子、PI3K遺伝子、HER2遺伝子の検査を実施すべきと語った。

 山本氏の発表によると、米国ではMassachusetts総合病院、Memorial Sloan-Kettering癌センター、M.D.Anderson癌センターなどで、EGFR遺伝子、KRAS遺伝子、BRAF遺伝子の解析が行われているという。

 現在、ELM-ALK遺伝子、BRAF遺伝子、KRAS遺伝子、PI3K遺伝子、HER2遺伝子を標的とした分子標的薬の開発が進められていることから、変異のある患者に合った薬剤を投与できる体制になることを山本氏は望んでいる。それによって、これらの分子を標的とする薬剤の国際試験にも参加しやすくなることが期待できる。

 ELM-ALK遺伝子が標的となる患者は全体の5%、BRAF遺伝子は同1%、KRAS遺伝子は10%、HER2遺伝子は3%いるという。

 学会の会場で座長の「ネットワークに協力したい人は挙手を」の声に参加者の半数以上の手が挙がった。