HER2陽性進行再発胃癌に対し、S-1シスプラチントラスツズマブを併用することで、高い抗腫瘍効果が得られる可能性が、フェーズ2試験(HERBIS-1)で明らかになった。2月27日から大阪市で開催された第85回日本胃癌学会総会で、兵庫医科大学消化器内科の田中淳二氏らが発表した。

 HERBIS-1試験は、大阪消化管がん化学療法研究会と北海道消化器癌化学療法研究会、東北臨床腫瘍研究会による試験。対象は、測定可能病変を有するHER2過剰発現(IHC3+、もしくはIHC2+かつFISH陽性)で、腺癌の切除不能または再発胃癌患者。
 
 治療はS-1 80-120mg/日を1日目から14日目に投与し、投与後7日間休薬。シスプラチンは60mg/m2を1日目に投与し、トラスツズマブを初回は8mg/kg、2コース以降は6mg/kgを1日目に投与、3週を1コースとしてPDになるまで継続した。

 主要評価項目は奏効率、副次評価項目は無増悪生存期間、全生存期間、治療成功期間、安全性とした。今回は奏効率と安全性が報告された。

 試験には56人が登録し、適格症例は54人。年齢中央値は66歳、男性が42人、女性が12人。PS 0が42人、PS 1が12人。切除不能例が51人、再発例が3人で、IHC3+が45人、IHC2+かつFISH陽性は9人だった。相対用量強度の中央値は、トラスツズマブは95%、S-1は74%、シスプラチンは79%だった。
 
 評価可能だった53人における抗腫瘍効果(効果判定委員会で評価)は、CRが2人、PRが34人、SDが14人、PDが3人で、奏効率は67.9%(95%信頼区間:53.7-80.1)、病勢制御率は94.3%(同:84.3-98.9)であった。

 グレード3/4の有害事象は、白血球減少が7.5%、好中球減少が30.2%、貧血が9.4%、発熱性好中球減少が3.8%で、低アルブミン血症が7.5%、クレアチニン上昇が5.7%だった。またグレード3/4の食欲不振が20.8%、下痢が7.5%、嘔吐が5.7%だった。グレード5(治療関連死)は、不適格症例の1人のみだった。

 以上の結果から、「S-1+シスプラチンとトラスツズマブの併用療法はHER2陽性進行再発胃癌に対して、有効かつ安全な治療方法と考えられた」とまとめた。