術後胃癌患者を対象に、ステージ別に術後の再発率が1%以下となる時期を検討した結果、IA期は術後2年、IB期は術後4年だった。I期については、慣習的に5年目まで実施されている胃癌根治術後のフォローアップ期間の短縮を考慮できる可能性があると指摘した。2月27日から3月1日まで大阪市で開催された第85回日本胃癌学会総会で、虎の門病院消化器外科の春田周宇介氏が報告した。

 胃癌根治手術後のフォローアップについては、現状、ガイドラインで指針を示しておらず、慣習的に5年目まで行われることが多い。そこで春田氏は、ステージ別に術後の再発時期について調べ、至適フォローアップ期間の検討を行った。

 至適フォローアップ期間の定義としては、切除症例の再発リスクが1%以下となる時期とした。再発確率1%以下と設定した根拠について春田氏は、同院で術後5年経過後に再発した患者は全根治手術例の0.62%、5年無再発患者の0.99%であること、また大腸癌ガイドライン2010年版ではフォローアップを5年目まで行うよう推奨する根拠として術後5年経過後再発率が1%以下であることを挙げていたためと説明した。

 対象は、1975〜2000年に同科にて胃癌根治術(根治度A、B)を実施した3650例。初再発患者について、ステージ別(胃癌取り扱い規約13版に準拠)の術後年数ごとの再発率を検討した。

 まず春田氏は、同院のフォローアップの現状について、術後5年経過時で91.7%、術後10年時で54.8%、術後15年時で23.6%であることを紹介。さらに同院での根治度A・B患者の進行度別治療成績(1975〜2000年)も提示。ステージIAが94.1%、して―時IBが87.4%、ステージIIが72.9%、ステージIIIAが59.1%、ステージIIIBが38.7%だった。

 IA期(1758人)においては、手術から3年以降の各年の再発率を足し合わせても1%以下となり、つまり再発可能性が1%以下となるのは術後2年経過時だと考えられた。

 同様に、IB期患者(552人)においては、手術から5年以降の各年の再発率を足し合わせても1%に満たず、つまり再発可能性が1%以下となるのは術後4年経過時だと考えられた。

 II期(489人)の再発可能性が1%以下になるのは5年経過時、IIIA期(371人)は7年経過時、IIIB期(261人)は7年経過時、IV期(219人、根治度B手術例のみ)は6年経過時だった。

 これらの結果を踏まえ春田氏は、IA期とIB期については再発可能性が1%となる時期が術後2年、4年後だったことから、フォローアップ至適期間が短縮できる可能性があると指摘した。一方、II期、IIIA期、IIIB期、IV期(根治度B手術例)については、再発可能性が1%となる時期が術後5〜7年だったことから、「術後5年で経過観察を打ち切った際に若干のリスクが存在する」と語った。

 また、春田氏は、「現在、IIB期に対してはS-1の術後アジュバント療法が標準となっているが、今回の検討には含まれていない。当院では2000年以降のII期の症例に対し、S-1による術後アジュバント療法を実施しているが、晩期の再発率が大きく変わるとは考えていない。今後のさらなる解析を検討したい」と語った。