オキサリプラチンを含む化学療法は、フッ化ピリミジン、シスプラチン、タキサン系抗癌剤、イリノテカンの治療歴のある進行再発胃癌に対し、有効で安全に投与できる可能性が、単施設の後方視的な検討で確認された。2月27日から大阪市で開催された第85回日本胃癌学会総会で、愛知県がんセンター中央病院薬物療法部の近藤千紘氏らが発表した。

 オキサリプラチンは現在、国内では胃癌への適応がないが、海外ではオキサリプラチンの有効性と安全性が報告されている。そこでフッ化ピリミジン、シスプラチン、タキサン系抗癌剤、イリノテカンの4剤の治療歴がある進行再発胃癌において、オキサリプラチンの有効性と安全性が検討された。

 対象は、2009年12月から2012年8月までに、3次治療以降でオキサリプラチンを含む化学療法を行った進行再発胃癌患者40人。オキサリプラチンは院内規定の適応外申請で対応したという。

 年齢中央値は63歳、男性が30人、女性が10人。PS 0/1が33人、PS 2/3が7人で、ステージ4症例が25人、再発症例が15人だった。前治療レジメン数の中央値は3レジメン(2-7レジメン)、シスプラチンの中止理由は増悪が29人、有害事象が11人であった。

 オキサリプラチンを含む治療レジメンは、mFOLFOX6が28人、SOXが8人、XELOXが4人だった。投与回数の中央値はmFOLFOX6が4回、SOXが4回、XELOXが5回で、初回減量がそれぞれ32%、88%、0%、途中減量が61%、100%、75%であった。

 抗腫瘍効果は、標的病変があった28人中5人で部分奏効が認められ、奏効率は18%、標的病変がなかった患者を含めた病勢制御率は58%となった。観察期間中央値8.7カ月において、無増悪生存期間の中央値は3.1カ月、生存期間中央値は5.2 カ月だった。

 グレード3以上の有害事象は、好中球減少が40%、貧血21%、発熱性好中球減少が8%、末梢性感覚神経障害が5%、高アンモニア血症が5%、手掌足底発赤知覚不全症候群が3%、アレルギー反応が3%だった。

 これらの結果から、「4剤の治療歴がある進行再発胃癌において、オキサリプラチン療法は、忍容可能な毒性であり、3次治療以降としては高い有効性が認められた」とした。また「国内でオキサリプラチンが承認された後には、フッ化ピリミジン+シスプラチンなどの標準治療終了後の既治療例を対象に、前向き臨床試験での検討が望まれる」と近藤氏は述べた。