ドセタキセルS-1併用(DS療法)の2週1回投与は、75歳以上の高齢者では、用量調節が必要な例は多いが、忍容性は認められ、75歳未満の患者と同等の生存期間が期待できることが、単施設の解析で明らかになった。2月27日から大阪市で開催されている第85回日本胃癌学会総会で、横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター外科の國崎主税氏らが発表した。

 対象は、DS療法を2コース以上施行した進行再発胃癌患者113人。75歳以上の高齢者群35人と75歳未満の非高齢者群78人に分けて比較した。この中にはbi-weekly DS療法のフェーズ1試験、フェーズ2試験に登録した患者も含まれる。ドセタキセルは40mg/m2を1日目と15日目に、S-1は80〜120mg/m2/日を1〜7日目と15〜21日目に投与した。

 比較した結果、ドセタキセルの減量は高齢者群で24人(68.6%)、非高齢者群は25人(32.1%)だった(p<0.001)。このうち高齢者群では35mg/m2への減量が18人、30mg/m2への減量が6人、非高齢者群ではそれぞれ16人、9人であった。減量理由はグレード2/3の好中球減少(30人)、グレード4の好中球減少(11人)、グレード3の食欲不振(6人)、発熱性好中球減少(2人)だった。
 
 2コース後の抗腫瘍効果は、PR以上が高齢者群は60%、非高齢者群は52.6%、SDはそれぞれ31.4%、33.3%、PDは8.6%、14.1%と、大きな違いはなかった。化学療法後の胃切除手術は高齢者群では11.4%、非高齢者群は17.9%だった。また治療コース数やセカンドライン治療、サードライン治療の施行割合にも2群間で違いがなかった。

 生存期間(OS)中央値は、高齢者群が12.9カ月、非高齢者群が16.4カ月、p=0.502、無増悪生存期間(PFS)中央値は、高齢者群が9カ月、非高齢者群が8カ月、p=0.965となった。またセカンドライン治療後のOS中央値はそれぞれ7カ月、10カ月、p=0.72だった。この結果から「用量を下げても続けていくことが生存延長には大切」と國崎氏は述べた。

 OSに対する予後規定因子は、2コース後の抗腫瘍効果、化学療法後の手術施行、Glasgow Prognostic Score (GPS) 、サードライン治療の施行が有意であったが、年齢は予後規定因子として抽出されなかった。PFSに対する予後規定因子は、2コース後の抗腫瘍効果、GPS、コース数だった。

 有害事象について、グレード3/4の毒性は、白血球減少が高齢者群で28.6%、非高齢者群で23.1%、好中球減少がそれぞれ37.1%、33.3%、食欲不振が8.6%、3.8%だった。