切除不能・再発胃癌に対するセカンドライン治療として、アルブミン懸濁型パクリタキセル注射剤ABI-007の3週毎の投与法は、有効で安全と考えられる結果がフェーズ2試験の最終解析から示された。2月8日から10日まで大阪市で開催された第84回日本胃癌学会総会で、愛知県がんセンター中央病院薬物療法部の室圭氏が発表した。

 ABI-007は、ヒト血清アルブミンにパクリタキセルを結合させたナノ粒子化製剤。親水性が高く、ポリオキシエチレンヒマシ油/エタノールを使用しないため抗アレルギー剤などの前投与が不要で、高用量のパクリタキセルが投与可能な薬剤である。点滴静注に必要な時間は30分と短い。

 室氏らは、5-FU系抗癌剤を含む初回化学療法に不応となった進行・再発胃癌患者を対象に、セカンドライン治療としてのABI-007の単群のフェーズ2試験を実施し、最終解析結果を報告した。

 ABI-007は260mg/m2を3週毎に投与し、中止になるまで繰り返した。主要評価項目は奏効率、副次的評価項目は安全性と有効性(病勢コントロール率[DCR]、全生存期間[OS]、無増悪生存期間[PFS])だった。

 2008年4月から2010年7月までに、55人(年齢中央値63歳、男性43人)が治験薬の投与を受けた。PS0と1はそれぞれ33人と22人だった。前治療で全身化学療法を受けたのは39人で、このうち白金系抗癌剤を含むSP(S-1+シスプラチン)療法は21人、XP(カペシタビン+シスプラチン)+α(トラスツズマブなど)療法は4人、SOX(S-1+オキサリプラチン)療法は2人が受けていた。術後補助化学療法を受けたのは16人だった。転移臓器個数が1個、2個、3個以上の患者はそれぞれ19人、21人、15人で、リンパ節と肝臓の転移が多かった。

 ABI-007の相対的用量強度(relative dose intensity)は中央値で93.4%だった。治療の中止は多くが疾患の進行(PD)によるものだった(89%)。

 奏効の評価が可能だった54人において、完全奏効(CR)は1人、部分奏効(PR)は14人で、奏効率は27.8%(95%信頼区間:16.5〜41.6)だった。安定状態(SD)の17人を含めたDCRは59.3%だった。

 グレード3以上で患者の15%以上に発現した主な有害事象は、好中球減少(49.1%)、白血球減少(20.0%)、ヘモグロビン減少(18.2%)、リンパ球減少(16.4%)、感覚性の神経障害(23.6%)だった。治療関連死はなかった。

 PFS中央値は2.9カ月(95%信頼区間:2.4〜3.6)、OS中央値は9.2カ月(同:6.9〜11.4)だった。

 前治療で白金系抗癌剤を使用した患者の奏効率は25.9%、DCRは63%、使用しなかった患者の奏効率は29.6%、DCRは55.6%だった。

 試験治療を受けた患者の81.5%が後治療に移行し、イリノテカンの使用が53.7%と最も多かった。