進行再発大腸癌の治療に使われているmFOLFOX6療法(オキサリプラチン、5-FU、ロイコボリン)は、治療歴のある進行再発胃癌に対しても治療選択肢の1つになりうることが、愛知県がんセンター中央病院薬物療法部の近藤千紘氏らの解析で明らかになった。3月3日から5日に青森県三沢市で開催された第83回日本胃癌学会総会で発表された。

 これまでの研究で、胃癌の初回治療におけるFOLFOX療法の奏効率は40〜48%、治療成功期間(TTP)は5.6〜6.2カ月、全生存期間は8.6〜13.0カ月と報告されている。しかし2次治療以降の報告は少なかった。そこで近藤氏らは、2009年4月から2011年1月までにmFOLFOX6療法による治療を行った17人を対象に、その効果と安全性を解析した。なお胃癌に対するmFOLFOX6療法は施設への適応外申請で承認を得て行われた。

 mFOLFOX6療法では、2週間おきに、オキサリプラチン85mg/m2、l-ロイコボリン200mg/m2、5-FU急速静注400mg/m2、5-FU持続点滴2400mg/m2が投与された。

 患者の年齢中央値は66歳、PS 0が1人、PS 1が7人、PS 2が8人、PS 3が1人で、組織型はdiffuseタイプが13人、intestinalタイプが4人だった。腹膜転移のあった患者が12人、肝転移が6人、リンパ節転移が6人、肺転移が2人だった。

 前治療のレジメン数は2レジメンが4人、3レジメンが4人であり、「キードラッグと思われる5-FU系抗癌剤、シスプラチン、タキサン系抗癌剤、イリノテカンをすべて使用した4レジメン以上の患者も9人と多かった」(近藤氏)。またシスプラチン投与歴のある患者は13人で、このうちシスプラチン抵抗性(投与中もしくは最終投与から3カ月以内に増悪)の患者は9人だった。

 mFOLFOX6の投与回数は中央値で4回(1〜12回)、初回投与量を減量した患者は8人、投与を継続している患者は5人で、投与中止した12人のうち、増悪による中止が8人、有害事象による中止は3人、患者の希望が1人だった。

 測定可能病変のあった7人において、部分奏効が1人、病勢安定が4人で、奏効率は14%、病勢コントロール率は71%であった。観察期間中央値5.6カ月において、TTF中央値は2.9カ月、OS中央値は6.2カ月であった。

 グレード3以上の有害事象は、貧血が5人(29%)、白血球減少と好中球減少、血小板減少がそれぞれ3人(18%)で、発熱性好中球減少が2人(12%)、オキサリプラチンで発現しやすい神経障害はグレード2が4人だった。

 PS 2以上の患者でPSの改善は9人中4人に見られ(44%)、胸腹水や通過障害、浮腫といった症状が改善した患者は13人中7人だった(54%)。また経口摂取ができなかった3人がFOLFOX療法後、食事が可能になったという。

 韓国のフェーズ2試験では、治療歴のある胃癌に対しFOLFOX4で奏効率は21%、TTPは3.0カ月、OSは6.2カ月と報告されており、今回はほぼ同等の結果が得られたとした。

 「FOLFOX療法はシスプラチンが使えない場合の治療選択肢になる。全身状態が悪く、食事もできない患者さんが多かったため、全例最初は入院で治療を行ったが、その後、17人中9人は外来で治療をした」と近藤氏は話した。