胃癌取扱い規約が前回改訂から約10年ぶりに改訂され、第14版として3月3日に発行された。3月3日から5日まで新潟市で開催された第82回日本胃癌学会総会のコンセンサスミーティングで、胃癌治療ガイドラインとの棲み分けなど、改訂のポイントが解説された。また、この改訂によって今後はTNM分類と連動した利用が可能となった。

 第13版までの胃癌取扱い規約は、ステージ分類やリンパ節の定義といった症例の記載法に加え、手術や化学療法などの治療法、病理の分類法を網羅し、規約一冊で胃癌診療のすべてが分かるものだった。第14版では、治療部分は胃癌治療ガイドラインに移行し、胃癌取扱い規約は腫瘍の状態と治療の評価を記録するための「基本となるルール」を示すものとなった。今回の改訂によって、規約とガイドラインの役割が明確に分担されることになった。

 また、改訂の特徴の1つとなるのが、リンパ節転移やステージ分類をTNM分類に変更したことだ。具体的にはT分類は、T3がSS、T4aがSEなどへと変更された。当面は混乱を避けるため、T3(SS)など深達度を併記することが望ましいとした。さらに、N分類ではこれまでのリンパ節群によるものが廃止され、転移の個数によって評価されることとなった。TとNの定義が変わることで、その組み合わせであるステージ分類も変わった。改訂第14版では、TNM分類と共通のルールを青色、胃癌取扱い規約独自のルールを黒色の文字として表記するなど、変更箇所を把握しやすくする工夫がされている。

 さらに改訂第14版では、生検組織診断分類(グループ分類)に大幅な変更があった。これまでのグループ分類では、腫瘍か否かの判定に困る場合はグループ3が適用されてきたが、改訂後はグループ2が適用されることになった。そのためグループ2における解釈については、詳細な補足説明が加えられるなど配慮もされている。癌に近いのかあるいは良性に近いのかについては、病理医と積極的にディスカッションすることが今後重要となり、「学会としてもこの点については周知徹底させたい」と、胃癌規約委員会委員長の愛甲孝氏は改訂後の重点課題とした。

 なお、薬物療法の効果判定には、これまでのWHO効果判定基準ではなく、RECIST 1.1を採用しているが、X線像や内視鏡像による原発巣の評価も別途記載すること、としている。