胃癌の術後補助化学療法におけるS-1+シスプラチン(CDDP)併用療法の安全性が確認され、レジメンとしての可能性が示された。3月3日から5日に新潟市で開催された第82回日本胃癌学会総会のワークショップで、愛知県がんセンターの高張大亮氏が発表した。

 治癒切除を受けたステージII、IIIの胃癌に対する術後補助化学療法としてのS-1の有用性は、ACTS-GC試験によって証明されている。また、進行・再発胃癌においては、SPIRITS試験によって、S-1+CDDP併用群がS-1単独群と比較して死亡リスクを22.6%減少させることが示されたことから、S-1+CDDP併用が標準療法となっている。そこで、高張氏らは、術後補助化学療法としてS-1+CDDP療法の可能性を検証した。

 対象は、2007年8月から2009年9月までに登録された20歳以上75歳以下で、PS(ECOG)が0または1で、リンパ節の郭清程度がD2以上で根治度Bの手術を受けたステージIII(IIIa、IIIbに限定)の胃癌患者63人(男性:プロトコール改訂前/後=16人/25人、女性:プロトコール改訂前/後=9人/13人)で、年齢の中央値はプロトコール改訂前が60歳、プロトコール改訂後が62歳だった。

 当初は、21日間を1コースとしてS-1の80mg/m2を1日目から21日目まで経口投与し、CDDPの60mg/m2を8日目に投与(休薬14日間)した。しかし、登録開始から25例目の時点で、毒性への指摘があり中間解析を行った。中間解析の結果、毒性の頻度はSPIRITS試験における併用群と同等であったが、さらなる最適化の必要性が指摘され、2008年5月にプロトコールの改訂を行った。

 改訂後は、改訂前のスケジュールでは1コース目の完遂率が71%と不良だったため、1コース目のみS-1単剤とし2コース目以降にCDDPを併用することとされた。

 併用療法における完遂割合は、3コースではプロトコール改訂前/後が57%/81%、2コースではプロトコール改訂前/後が76%/95%、1コースではプロトコール改訂前/後が71%/97%と、改訂後における完遂割合が有意に高かった。

 有害事象は、グレード3以上は好中球減少で、プロトコール改訂前が40%、改訂後が37%と変わりなく、食欲不振については、改訂前には28%だったが改訂後は8%と減少した。