ドセタキセルと5-FU、シスプラチン3剤併用(DFP療法)は、進行胃癌において抗腫瘍効果および忍容性が認められることがフェーズ2試験で確認された。同じ3剤を用いたV325試験DCF療法に比べて血液毒性が抑えられ、経口摂取不能の場合の治療選択肢になると言える。3月3日から5日まで新潟市で開催された第82回日本胃癌学会総会で、大阪大学大学院医学系研究科消化器外科の山本和義氏らが発表した。

 対象は、2001年10月から2008年1月に、予後不良因子(T4、N3、Bulky N2)あるいは非治癒因子(H1、P1、M1)を有し、初回治療を受けた進行胃癌18人(うち男性15人)。年齢中央値は57歳、PS 0/1が12人、PS 2が6人。ステージ3B期が3人、4期が15人だった。

 DFP療法は、4週間を1コースとし、5-FU(350mg/m2)を第1日から第5日に24時間持続静注し、シスプラチン(10mg/m2)を第1日から第5日に、ドセタキセル(60mg/m2)を第1日に点滴静注した。2コース終了後、非治癒因子がない患者あるいは肝転移(H1)のみの患者には手術を行った。実際には、1コースのみが3人、2コース目で減量したのは2人、2コースを完遂したのは13人だった。相対的薬剤強度は90.3%だった。

 この治療法は少量分割FP療法へのドセタキセルの上乗せで、多国籍多施設共同無作為化フェーズ3試験V325のDCF療法(ドセタキセル、シスプラチン、5-FU)よりも薬剤強度を抑えているのが特徴。DCF療法では3週間を1コースとし、ドセタキセル75mg/m2を第1日に、シスプラチン75mg/m2を第1日に静注、5-FU 750mg/m2/日を5日間持続点滴静注した。

 主な非血液毒性は、グレード3の食欲不振が3人(16.7%)、悪心が2人(11.1%)、血液毒性はグレード3の白血球減少が6人(33.3%)、グレード4が1人(5.6%)、好中球減少はグレード3が6人(33.3%)、グレード4が5人(27.8%)だった。

 抗腫瘍効果はCRが0人、PRが8人、SDが8人、PDが2人で、主要評価項目である奏効率は44.4%だった。またリンパ節転移のあった17人では奏効率は47.1%、肝転移のあった3人では66.7%となった。

 DFP療法終了後、15人に手術を行い、このうち根治切除は11人(61.1%)、遺残を認めた4人のうち肝転移は3人、腹膜転移が1人。手術関連死亡は感染性腹膜炎による1人だった。全体の1年生存率は75.6%、3年生存率は51.1%。現在のところ、生存期間中央値は1932日以上となっている。

 以上のことから演者らは、「DFP療法による Induction Chemotherapyは、進行胃癌に対する1つの治療オプションになりえる」とした。また「注射剤3剤のため、経口摂取不能例に対して有用だろう」とも述べた。

 なおV325試験では、DCF療法の奏効率は37%、グレード3/4の好中球減少が82%と高かった(J Clin Oncol. 2006 Nov 1;24(31):4991-7)。