腹膜播種を伴う胃癌S-1パクリタキセル経静脈・腹腔内併用療法が有効でかつ安全性の高い治療法であることが、国内で行われたフェーズ2試験の結果、明らかとなった。成果は3月4日から6日に都内で開催された第81回日本胃癌学会総会で、東京大学大学院医学系研究科腫瘍外科助教の石神浩徳氏が発表した。石神氏らは、パクリタキセルの腹腔内投与を高度医療として申請している。

 石神氏らは、組織学的に証明された切除不能または再発胃癌患者で、P1(腹膜播種)期またはP0CY1(腹腔内洗浄細胞診陽性)患者を対象に臨床試験を行った。参加した患者は40人で、切除不能が27人、遺残が5人、再発が8人だった。また、前治療ありが17人、なしが23人、P1期が34人、P0CY1期が6人だった。腹水貯留は21人に、水腎症が9人に、腸管狭窄が6人に認められた。

 21日を1サイクルとしてS-1の80mg/m2を1日目から14日目まで経口投与し、パクリタキセルは1日目と8日目に50mg/m2を静脈内に、20mg/m2を腹腔内に投与した。主要評価項目は1年全生存率で、副次評価項目は癌性腹水に対する効果、奏効率(RECIST)、安全性だった。

 試験の結果、1年全生存率は78%(95%信頼区間:65-90)と良い結果が得られた。2年全生存率は43%で、全生存期間中央値は23.6カ月となった。50%無増悪生存期間は14.5カ月(95%信頼区間:8-16)だった。腹水に対する効果は著効が5人、有効が8人、無効が8人で有効率は62%だった。腹水細胞診陰性化は28人中24人(86%)に認められた。RECIST評価による奏効率で、評価可能だった18人中部分奏効が10人、安定状態(SD)が6人、増悪(PD)が2人で奏効率は56%になった。

 初発の27人中16人に対して化学療法後に手術を施行し、根治度Bが13人、根治度Cが3人だった。奏効後切除できた患者(16人)の方が遺残・再発患者(13人)や非切除患者(11人)よりも全生存期間は明らかに長かった。

 一方、副作用はグレード3/4のものは、白血球減少が7人(18%、グレード4は2人)、好中球減少が15人(38%、グレード4は4人)、ヘモグロビン減少が4人(10%、グレード4は1人)、下痢が1人(3%、グレード4はなし)、食欲不振が2人(5%、グレード4はなし)、悪心・嘔吐が3人(8%、グレード4はなし)だった。