胃癌患者における末梢循環腫瘍細胞CTC)が、化学療法の治療効果予測および予後予測に有用であることが明らかになった。治療後2週間目のCTC数が予後と関連しており、治療効果を早い段階で判定できる可能性が示された。癌研究会有明病院化学療法科の松阪諭氏らが、3月4日から6日に開催された第81回日本胃癌学会総会のポスターセッションで発表した。

 進行・再発胃癌患者30人を対象に、化学療法前後でCTC数を測定し、治療反応と予後予測との関連性を調べた。CTC数は、磁気ビーズを結合させた抗EpCAM(上皮細胞接着分子)抗体を使う方法(Cell Search System)を用いて測定した。S-1を投与した患者が3人、S-1とシスプラチン投与が15人、パクリタキセル投与が12人だった。

 S-1ベースの治療によるCRは0%、PRは61%、SDは22%、PDは17%で、パクリタキセルによる治療ではCRは0%、PRは0%、SDは33%、PDは67%だった。

 PRと認められた患者のCTC数は、治療前が約2.4だったのに対し、治療2週間目には0.3、4週間目には0.1と減少した。一方、PDだった患者では、それぞれ18.4、14、31と高い値を示した。松阪氏によれば、腫瘍サイズが大きい場合、転移数が多い場合、あるいは腹膜播種ではCTC数が多かったという。

 また2週間目および4週間目のCTC数が4未満の患者では、4以上の患者に比べて、無増悪生存期間(PFS)および全生存(OS)が有意に延長することが示された。このことから、「CTC数は化学療法の治療効果予測および予後予測に有用である」と結論づけた。

 松阪氏は、「治療の効果がCT等でわかるには治療から2カ月程度かかる。CTC数によって2週間で効果が予測できれば、そこで判断して、有効な治療法に変えることができる。胃癌は他の癌に比べて進行が早いので、CTCによる効果予測はより有用だろう」と話した。