未分化型早期胃癌において、腫瘍径20mm以下の粘膜内癌で潰瘍がなく、脈管侵襲もない例では、リンパ節転移は見られないことが、癌研究会病院と国立がんセンター中央病院のデータを分析して確認された。内視鏡的切除の適応が、リンパ節転移の可能性のないこととされており、今回の結果から未分化型早期胃癌に対する内視鏡的切除を検討する際の条件が明らかになったといえる。癌研究会有明病院消化器内科の平澤俊明氏らが、3月4日から6日に開催された第81回日本胃癌学会総会のポスターセッションで発表した。

 1969〜2007年に癌研究会病院または国立がんセンター中央病院で手術を受けた未分化型早期胃癌患者3843人が分析対象とされた。まず、未分化型早期胃癌におけるリンパ節転移の危険因子を多変量解析で調べたところ、危険因子は深達度と腫瘍径、脈管侵襲であることが示された。深達度(粘膜内、粘膜下)のオッズ比は3.208(95%信頼区間:2.488-4.136、p<0.0001)、腫瘍径(20mm以下、21mm以上)は2.052(同 1.567-2.687、 p<0.0001)、脈管侵襲(有無)では4.824(同 3.821-6.089、 p<0.0001)だった。

 粘膜内癌の2163人のうちリンパ節転移は105人(4.9%)に認められた。このうち潰瘍がなく、脈管侵襲陰性で、腫瘍径が20mm以下の310人ではリンパ節転移は0人、95%信頼区間は0〜0.96%だった。2000年にも同様の対象において分析が行われており、141人中0人、95%信頼区間は0〜2.6%と報告された。

 また今回の分析で、21〜30mmの162人ではリンパ節転移は3人(1.9%)、31mm以上の249人では13人(5.2%)だった。一方、10mm以下でも粘膜内癌で潰瘍があった80人ではリンパ節転移は4人(5%)に見られた。

 これらのことから、「早期胃癌において、20mm以下の粘膜内癌で潰瘍がなく、脈管侵襲陰性の症例は、内視鏡的切除の適応拡大病変とすべきである」と結論づけている。