経鼻内視鏡による食道・胃癌の発見率は、経口内視鏡による発見率と差がないことが明らかになった。東京医科大学病院内視鏡センターの河合隆氏が、第81回日本胃癌学会総会で発表した。

 対象は、2005年1月から2007年12月までに経鼻内視鏡検査を行った1170人と、経口内視鏡検査を行った1万3867人。経鼻内視鏡検査で早期胃癌が見つかったのは14人で1.28%、経口内視鏡検査で早期胃癌が見つかったのは167人で1.20%と、発見率に差はみられなかった。また、見つかった胃癌のタイプを調べても、経鼻内視鏡群では経口内視鏡群に比べ、ややIIa型が少なくIIc型が多かったものの、明らかな差はみられなかった。食道癌についても、経鼻内視鏡検査で見つかったのは3人で0.26%、経口内視鏡検査で見つかったのは38人で0.27%と、発見率に差はみられなかった。

 河合氏は、「経鼻内視鏡は経口内視鏡に比べて細径であることから、診断が不十分になるのではないかと指摘されてきたが、近接して色素散布などを適切に併用しながら、ゆっくり、しっかりと粘膜面を観察するように心がければ、癌の有無を診断する点において問題はないと考えられる。ただ、送気量が不十分になりがちなので、癌の広がりや深さをどこまで正確に判断できるか、質的診断における役割については今後の研究が必要だろう」と話した。