胃癌手術において、肥満は出血量や術後合併症の発生を増加させるリスク因子であり、肥満のリスクを評価するには、術前CTによる内臓脂肪面積の測定が有用であることが分かった。「肥満の患者では手術は難しくなる」という日頃の実感が、臨床データの分析で確認された。静岡県立癌センター胃外科の寺島雅典氏が、3月4日から6日に開催されている日本胃癌学会のワークショップで発表した。

 対象は2008年4月から9月までに胃癌切除を受けた患者118人(うち女性が38人)。幽門側胃切除術が81人、胃全摘術が29人、噴門側胃切除術が6人、幽門温存胃切除術が2人だった。術前のCT画像から全脂肪面積と皮下脂肪面積、内臓脂肪面積、およびBMIと腹囲を測定し、手術時間と出血量、術後合併症と比較した。

 その結果、出血量は、全脂肪面積(r=0.523、p=0.0031)、内臓脂肪面積(r=0.631、p=0.0001)、腹囲(r=0.547、p=0.0091)と有意な相関が認められ、出血と肥満因子との関係が示された。

 また術後合併症の有無で群別したところ、全脂肪面積、内臓脂肪面積、BMI、腹囲で有意な違いが見られ、多変量解析では、術後合併症の予測因子として、郭清度(D1+β、D2)、内臓脂肪面積が抽出された。寺島氏は「術前に必ず撮るCTを使うので、内臓脂肪面積を測定するのは、それほど困難なことではない」と述べている。