胃癌取扱い規約胃癌治療ガイドラインが来年から大きく変わる。今回の改訂は、規約とガイドラインの役割分担を明確にすることが主な目的で、規約ではTNM分類が導入され、規約に記載されていた治療の項目は全面的にガイドラインに移行する。またガイドライン改訂では、リンパ節郭清範囲について、現行の腫瘍占居部位別から術式別への規定に変更される。2010年1月1日発効をめどに改訂作業が現在進められている。3月4日から6日に開催されている日本胃癌学会のコンセンサスミーティング「胃癌取扱い規約とガイドライン」で、「胃癌治療ガイドライン改訂第3版(案)」が発表された。

 4時間におよんだミーティングでは、胃癌取扱い規約と胃癌治療ガイドラインの改訂点に関する解説に加え、アンサーパットを使っての会場からの反応など、賛否両論の意見が交わされた。

 胃癌治療ガイドライン改訂の焦点の一つはリンパ節郭清だ。第2版では腫瘍の占居部位ごとにリンパ節郭清範囲が分類されていたが、第3版(案)では、胃全摘術、幽門側胃切除術、幽門保存胃切除術、噴門側胃切除術といった術式別に、リンパ節郭清範囲(D1とD2)を定めた。D1郭清の適応は「cT1腫瘍でリンパ節転移の可能性が低いもの」、D2郭清は「T2以深の腫瘍」とした。

 この変更について、解説をした東京都立墨東病院の荒井邦佳氏は、占居部位の正確な診断は標本検索では困難なこと、規約でTNM分類が導入されることになり、リンパ節分類が部位ごとのグレードではなく、転移個数となるため、占居部位に規定する必要がないことをその理由に挙げた。さらに「簡潔であり、国際的にも理解しやすい」とも述べた。

 これに対し、およそ200人の参加者の意見は、術式別とする案への賛成が41%、賛成だが修正が必要が26%、現行のように腫瘍の占居部位別がよいとした意見が33%だった。

 このほか、日常診療のための治療法が現行の進行度別の治療法選択の表だけでなく、治療法フローチャートも提示される予定。また腹腔鏡下胃切除術は参加者の8割以上が「自分の施設で行っている」と答えたが、「臨床研究の扱いにすべき」が58%、「日常臨床表に組み込んでもよい」が42%と意見が分かれた。後日、「胃癌治療ガイドライン改訂第3版(案)」は日本胃癌学会のホームページ等で掲載され、意見を求めていくという。