カペシタビンに対するセレコキシブ200mg/日の同時併用投与で、カペシタビンの副作用の1つである手足症候群を予防、軽減できる可能性が示された。6月28日から熊本で開催された第20回日本乳癌学会総会で、浜松オンコロジーセンター(浜松市)の宮本康敬氏が発表した。

 カペシタビンは乳癌治療において有効な薬剤の1つだが、代表的な副作用として手足症候群がある。手足症候群は患者のQOLを著しく低下させるが、現在のところ有効な治療薬はない。2011年にセレコキシブ1日400mg/日の併用投与がカペシタビンによる手足症候群に有効であると報告された(R.X.Zhang,J Cancer Res Clin Oncolo 2011)ことから、宮本氏らは、2011年1月よりカペシタビン治療開始時に200mg/日のセレコキシブ併用を開始した。今回、その発症予防効果について、ヒストリカルコントロールとの比較検討結果を発表した。

 対象は、カペシタビン単剤治療を1サイクル以上施行した患者で、セレコキシブ非併用例として2006年から2010年までにカペシタビン治療を開始した43例と、2011年以降にカペシタビン治療を開始し、セレコキシブを併用投与した19例。手足症候群はCTCAEのグレード1〜3で評価した。

 セレコキシブの服用量は本邦での通常用量200mg/日(1日2回朝夕100mg)とし、カペシタビンと同時併用した。カペシタビン休薬中も服用した。同時にカペシタビン治療開始時からスキンケアとして保湿、保清、保護の指導を行った。

 癌腫別ではセレコキシブ非併用例では乳癌36例、大腸癌6例、その他1例。セレコキシブ併用例では乳癌17例、大腸癌2例だった。両群でカペシタビンの1日投与量に差はなかったが、投与期間(中央値)はセレコキシブ非併用群のほうが長かった(202日 対 188日)。

 解析の結果、セレコキシブ非併用例ではグレード1以下の手足症候群は47%だったのに対し、グレード2以上は53%。対して、セレコキシブ併用例ではグレード1以下は79%だったのに対してグレード2以上は21%で、セレコキシブ服用により有意に手足症候群が軽減することが示された。また、併用投与によりグレード2以上の手足症候群出現までの期間を遅らせる傾向がみられた。

 カペシタビンによるその他の有害事象に差はなかったが、悪心や下痢、高ビリルビン血症はセレコキシブ併用例で軽減する可能性が示唆された。

 「カペシタビンによる手足症候群に対するセレコキシブ1日200mgの同時併用は有用である可能性が示された。今後、ランダム化比較試験での検討が望まれる」と、宮本氏は結論付けた。