術前ホルモン療法によって、治療前は全乳房切除術が適切と判断された症例でも乳房温存が可能になってきた。術前ホルモン療法による腫瘍の縮小や予後の予測に期待がかかり、腫瘍の増殖動態を示すKi67などバイオマーカーの研究も進んできている。

 「術前ホルモン療法の臨床的な位置づけがどんどん大きくなっている」。京都大学大学院医学研究科外科学講座乳腺外科学の戸井雅和氏は、第19 回日本乳癌学会学術総会学術セミナー「閉経後乳癌の術前ホルモン療法」(共催:ファイザー)で、術前ホルモン療法の最近の動向と今後の課題について解説した。

 まず始めに戸井氏は、2009 年に開催された京都乳癌コンセンサス会議(KBCCC)で行われた、術前ホルモン療法の経験が豊富なエキスパートに対する「術前ホルモン療法を何のために行うか」というアンケート調査の結果を紹介した。

 それによると、術前ホルモン療法の目的としてエキスパートが最も多く挙げたのが、腫瘍縮小による「乳房温存」だった。二番目に多かったのは「治療個別化」だが、「その裏返しとして、術前ホルモン療法には術前ホルモン療法自体の適応を決めるだけでなく、化学療法の適応を決めることにも役立つのではないかという意見もあった」と戸井氏は解説する。


詳細はこちら(PDFウインドウで開きます)