20歳代の若年性乳癌患者の検査においては、マンモグラフィよりも乳房超音波検査が有用である可能性が示唆された。9月2日から仙台市で開催された第19回日本乳癌学会学術総会で、国立がん研究センター中央病院の小倉拓也氏らが報告した。

 2007年の全国乳癌患者登録調査報告によると、全乳癌症例のうち、20歳代が占める割合は0.7%と、症例数は少ない。しかし、その中には予後不良例が含まれることも多い。若年性乳癌に対する画像検査のあり方を検証するため、小倉氏らは20歳代の乳癌患者の画像所見の検討を行った。

 対象は、2000年1月から2009年12月までに、同病院で乳癌手術を施行した4195例中、20歳代の症例31例。そのうち、画像が無い10例や再発した1例、他院にて加療後であった3例を除き、加療前のマンモグラフィと乳房超音波検査の画像評価が可能な17例を対象とした。平均年齢は26.9歳で、主訴は腫瘤自覚が14例、乳房痛・違和感が3例だった。

 マンモグラフィガイドライン第3版と、乳房超音波診断ガイドライン改訂第2版をもとに、レトロスペクティブに検討・評価した。検討項目は、マンモグラフィの場合は背景乳腺、腫瘤影の有無、石灰化の有無、カテゴリー分類の4項目。乳房超音波検査は、病変存在部位、腫瘤描出の可否、高エコースポットの有無、カテゴリー分類とした。病理については、浸潤径または腫瘍径、組織型を検討項目とした。

 マンモグラフィの結果、3例において背景乳腺の不均一高濃度がみられた。残り14例は高濃度であった。腫瘤影が見られたのは7例で、そのうち局所的非対称陰影(FAD)が4例、微細鋸歯状が3例だった。石灰化は6例、カテゴリー3(良性だが悪性の可能性を否定できない)以上に分類されたのは10例だった。

 乳房超音波検査の結果、腫瘤を描出できたのは14例、高エコースポットがあったのは10例、カテゴリー3以上に分類されたのは3例、カテゴリー4(悪性の疑い)以上に分類されたのは13例だった。

 病理では、組織型が非浸潤性乳管癌7例、乳頭腺管癌が5例、充実腺管癌が3例と、非浸潤性乳管癌の占める割合が高かった。

 浸潤癌7例については、マンモグラフィの結果、腫瘤描出例は3例、腫瘤非描出例は4例だった。カテゴリー分類では、カテゴリー3以上に分類されたのが4例で、残り3例はカテゴリー1(異常なし)に分類されていた。対して乳房超音波検査では、腫瘤描出例が6例で、腫瘤非描出例は1例のみだった。カテゴリー分類では、7例すべてがカテゴリー3以上に分類された。

 非浸潤性乳管癌7例の病理を見てみると、マンモグラフィのカテゴリー分類では4例がカテゴリー3以上に分類されたものの、3例がカテゴリー1に分類された。乳房超音波検査では、1例がカテゴリー1に分類されたが、6例がカテゴリー3以上に分類された。

 まとめると、浸潤癌の描出率は、マンモグラフィが43%、乳房超音波検査が86%だった。病変描出率は、マンモグラフィが52%、乳房超音波検査が94%だった。これらの結果から、20歳代の乳癌患者にとっては、超音波検査のほうがマンモグラフィよりも有用な検査である可能性が示唆された。また、マンモグラフィでの描出が困難な理由としては、高濃度乳腺が多いため、描出率が腫瘤径によること、20歳代に多く認められる非浸潤性乳管癌は石灰化で検出されることが多いが、その広がりが小さいと高濃度乳腺では検出されにくいことを挙げた。