日本人の原発性乳癌患者において、global doseでのTC療法(ドセタキセルシクロホスファミド)の完遂率は92.2%と、術後補助化学療法として十分効果が期待できる値となり、安全に施行可能と考えられる結果が、多施設共同オープン試験(Kyushu Breast Cancer Study Group:KBC-SG 0803)から示された。9月2日から仙台市で開催された第19回日本乳癌学会学術総会で、独立行政法人国立病院機構九州がんセンター乳腺科の田中仁寛氏が、KBC-SGを代表して発表した。

 US Oncology 9735試験により、乳癌の術後補助療法としてTC療法は、AC療法(ドキソルビシン+シクロホスファミド)と比べて、無病生存期間(DFS)と全生存期間(OS)を有意に改善することが示された。

 日本でもTC療法はすでに臨床導入されているが、US Oncology9735試験と同用量での安全性の検討は十分ではない。そのため田中氏らは、日本人患者を対象として、global doseでのTC療法についての完遂率および安全性を検討した。

 対象は、2008年8月から2010年7月までに19施設から登録された、ER陽性、HER2陰性、かつ2007年St. Gallen国際会議リスク分類でintermediate riskの原発乳癌術後の患者103人(年齢中央値53歳)。なお、安全性解析の対象は、登録後にER陰性と判明した1人を含む104人とした。

 閉経前の患者は43%、PS0の患者が99%、リンパ節転移陽性の患者が65%だった。病期ではII期が78%を占めた。PgR陽性の患者は85%だった。

 術後にTC療法として、ドセタキセル75mg/m2、シクロホスファミド600mg/m2を1日目に投与し、3週毎に4サイクル繰り返した。

 主要評価項目の完遂率について、US Oncology 9735試験のTC療法の完遂率(93%)を期待完遂率とした。また、術後補助化学療法として十分な有効性を得るために必要と考えられる完遂率は80〜85%であるため、85%をこの試験の閾値完遂率とした。

 その結果、治療を完遂したのは95人(92.2%)となった(p=0.021)。95%信頼区間(CI)は85.3〜96.6%となり、下側CIは閾値完遂率を超えていた。

 相対的用量強度(relative dose intensity)は、ドセタキセル94.6%、シクロホスファミド95.9%となった。

 副次的評価項目の安全性について、血液学的毒性ではグレード3以上の発熱性好中球減少が21.2%に発現し、US Oncology 9735試験と比べて高い値だった。グレード3以上の白血球減少は33%、好中球減少は32%に発現した。

 一方、グレード3以上の非血液学的毒性の頻度は低く、疲労4%、下痢3%だった。皮膚障害については、全グレードでは皮疹、爪の変化、掻痒症がそれぞれ51%、37%、29%と多く発現したが、多くはグレード2以下だった。