転移・再発乳癌患者に対するゲムシタビンパクリタキセル併用療法(GT療法)は、日本人患者においても海外の報告と同様の奏効率が得られ、忍容性も良好であることが、フェーズ2試験の2年間の経過観察報告から示された。6月24、25日に札幌市で開催された第18回日本乳癌学会学術総会で、大阪大学大学院乳腺・内分泌外科の中山貴寛氏が発表した。

 GT療法は、海外ではアントラサイクリン治療歴のある転移・再発乳癌の標準療法の一つと考えられている。

 中山氏らは、アントラサイクリン系抗癌剤による術前/術後補助化学療法を受け、転移・再発をきたした日本人の乳癌患者を対象としたフェーズ2試験において、GT療法の有効性と安全性を検討し、今回は2年経過観察した結果を報告した。

 パクリタキセル(T)175mg/m2を1日目に、ゲムシタビン(G)1250mg/m2を1日目と8日目に投与し、21日毎に繰り返した。

 主要評価項目は奏効率、副次的評価項目は奏効期間、無増悪期間、生存期間、1年および2年生存率、安全性であった。

 対象は、アントラサイクリンを含む術前/術後補助化学療法の治療歴を有し、転移・再発乳癌を認める56人(年齢中央値55歳)。転移巣を認めた患者は89.3%で、肺(51.8%)、骨(42.9%)、肝(35.7%)など、主要な内臓への転移が多くみられた。前治療でアントラサイクリンのみを投与されたのは55.4%、アントラサイクリンとタキサンの両剤を投与されたのは44.6%だった。

 エストロゲン受容体(ER)陽性は62.5%、プロゲステロン受容体(PR)陽性は46.4%、HER2陽性の3+は16.1%。

 完了コース数の中央値は7.5コース、Dose Intensityはゲムシタビン79.6%、パクリタキセル85.8%だった。

 有効性については、部分奏効(PR)26人(44.6%)、安定状態17人(30.4%)であった。奏効率は44.6%、奏効期間の中央値は7.9カ月だった。

 無増悪期間の中央値は8.6カ月、生存期間の中央値は27.1カ月(22.9カ月-上限算出不能)におよび、2年生存率は58.9%となった。

 サブタイプ別に効果をみると、ERまたはPRが陽性でHER2が陰性の場合、奏効率は59.3%、無増悪期間の中央値は9.3カ月であった。トリプルネガティブの場合、奏効率は35.7%、無増悪期間の中央値は6.0カ月。ER、PRはいずれでもHER2が陽性の場合、奏効率は22.2%、無増悪期間の中央値は9.6カ月。

 安全性について、試験期間中の死亡例はなく、有害事象は全例に発現したが、重篤な有害事象の発現は8.9%であった。有害事象による投与量減量は30.4%、休薬は39.3%、投与中止は10.7%、投与延期は66.1%だった。

 グレード3以上の主な有害事象として、血液毒性では好中球減少が82.1%と高率であったが、発熱性好中球減少症はみられなかった。血小板減少8.9%、ヘモグロビン減少7.1%であった。非血液毒性では、ALT増加14.3%、AST増加7.1%、下痢5.4%などがみられた。

 中山氏は「日本人患者を対象とした本試験でも、海外の報告と同様のGT療法の有効性を確認することができた。GT療法は、アントラサイクリン既治療の転移・再発乳癌の標準療法の一つと考えられる」と話した。