ゲムシタビンとパクリタキセル併用療法(GT療法)は、アントラサイクリン系抗癌剤既治療の転移・再発乳癌患者に対し高い有効性と良好な忍容性を示し、標準治療の一つとなり得るようだ。7月3日から4日に東京で開催された第17回日本乳癌学会学術総会で、博愛会相良病院乳腺外科・放射線科の相良吉昭氏が発表した。

 相良氏らは、アントラサイクリン系抗癌剤既治療の転移・再発乳癌患者におけるGT療法の有効性および安全性を検討した。主要評価項目はRECIST判定による奏効率、副次的評価項目は奏効期間、無増悪期間、生存期間などとした。

 アントラサイクリン系抗癌剤既治療で、術前と術後の補助化学療法にタキサン系抗癌剤が含まれる場合は12カ月以上経過している転移・再発乳癌患者62人を対象とした。

 投与量は2段階(レベル1、2)に分けた。3週を1コースとして、レベル1では、6人にパクリタキセル175mg/m2を1日目に、ゲムシタビン1000mg/m2を1日目と8日目に投与した。レベル2では、56人にパクリタキセル同量を1日目、ゲムシタビン1250mg/m2を1日目と8日目に投与した。6週ごとに腫瘍縮小効果を判定した。

 対象中、転移病変を有する患者は全体の50人(89.3%)で、肺転移は51.8%、肝転移は35.7%に認めた。前治療として、アントラサイクリン系抗癌剤は全症例に含まれ、さらにタキサン系抗癌剤が含まれたのは44.6%であった。

 奏効率はレベル1で50.0%、レベル2で44.6%だった。レベル2では、24週以上安定状態(SD)が続く長期SDの5.4%を入れたクリニカルベネフィットは50.0%となった。1年生存率は78.6%(95%信頼区間:67.8〜89.3%)、無増悪期間の中央値は6.8カ月(95%信頼区間:6.0〜8.8カ月)であったことから、相良氏は「海外のデータと同様の高い治療成績が日本人でも得られた」と評価した。

 レベル2では、重篤な有害事象の発現数は5.4%で、有害事象による投与中止は7.1%。おもなグレード3以上の有害事象は好中球数減少、白血球数減少、ALT増加など、ほぼすべてが血液毒性であったが、適切な処置により継続投与が可能だった。非血液毒性ではグレード3以上の有害事象はわずかだった。

 日本においては、ゲムシタビンの乳癌への適応拡大を申請中。登場が待たれる。