進行・再発乳癌に対するS-1+シクロホスファミド(CPA)+酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)併用化学療法(SMpC療法)についての検討から、SMpC療法は高い有効性と安全性を有する可能性が示唆された。7月3日から4日に東京で開催された第17回日本乳癌学会学術総会で、京都第二赤十字病院外科の石井亘氏が発表した。

 経口抗癌剤併用療法の一つであるドキシフルリジン(5'-DFUR)+CPA+MPA療法(DMpC療法)は、外来治療が可能で、高い奏効率に加えて副作用の発現率が低いことが報告されている。

 一方5'-DFUR と同じく経口5FU系抗癌剤のS-1は、これまでの5FU系抗癌剤と比較して抗腫瘍効果が高く、外来治療が可能だ。乳癌に対しては、フェーズ2試験で奏効率が計41.7%と報告されている。

 このような背景から石井氏らは、より高い治療効果を期待して、進行・再発乳癌患者のファーストライン治療として、DMpC療法のドキシフルリジンをS-1に変えたSMpC療法について、有効性と安全性を検討するフェーズ1/2試験を計画した、というわけだ。

 フェーズ1のステップ1として、SMpC療法の最大耐用量(MTD)と推奨用量(RD)を推定し、同ステップ2ではステップ1で得られたRDに基づき、有効性および安全性を検討することとした。

 治療は28日間を1クールとし、MPAは800mg/body/日を全日で投与、S-1(mg/m2)とCPA(mg/body)は、1日目から14日目に投与した。レベル1、2、3の用量をそれぞれ65と100、80と100、80と150とした。

 用量制限毒性(DLT)はグレード4の白血球または好中球減少、38℃以上の発熱を伴うグレード3以上の好中球減少、グレード3以上の血小板減少などと定義した。各レベルに3例ずつ登録し、3人中2人にDLTが認められた時、そのレベルをMTD、3人中1人にDLTが認められた時はさらに3例を追加し、6人中2人のDLTでMTDとした。

 登録した患者11人の患者の平均年齢は63歳(53〜72歳)で、PSは全例0。病期分類ではステージIIA が3人、IIBが7人、IVが1人。前治療として、手術を施行しているのは2人のみだった。

 現在までにレベル1に6人、レベル2に3人、レベル3に2人が登録された。レベル1では、グレード3の白血球減少と好中球減少を各1人、グレード4の血小板減少を1人に認め、これをDLTと判断した。追加した3人ではDLTは認められなかった。その他の有害事象については軽微なもののみだった。

 いずれの症例も、フェーズ1試験終了後も継続的な投与が可能だった。またDLTが発現した症例でもCPAを1段階減量して投与継続可能であった。本試験の完遂率は100%で、十分なQOLを保てた。

 本レジメンによる奏功率は77.8%。石井氏は「レベル3で症例追加を行っており、今後RDを決定していく予定」と話した。