エストロゲン受容体(ER)陽性の手術不能再発乳癌で、内分泌療法が不応となった場合、一般的には化学療法が選択されるが、内分泌療法を継続したままでTS-1を投与する併用療法が有効である可能性が多施設共同フェーズ2試験で示された。7月3日から4日に東京で開催された第17回日本乳癌学会学術総会で、国立病院機構名古屋医療センター外科の佐藤康幸氏らが第1報として発表した。

 対象はER陽性再発乳癌で前治療が1レジメン以内の患者。適格基準は、PSが0〜1、経口投与可能、少なくとも3カ月以上の生存が期待される患者とした。対象患者の多くがタモキシフェンやアナストロゾールによる術後の内分泌療法が耐性となった患者であることから、エキセメスタン(25mg/日)を連日投与し、TS-1(80〜120mg/日)は4週投与2週休薬のスケジュールで投与した。

 試験は今年1月に開始し、現在までに7人が登録している。今回は評価できた5人について報告された。抗腫瘍効果については、完全奏功(CR)が1人、部分奏功(PR)が3人、長期不変(NC)が1人で、このうち肺転移のあった患者では5コース目にPRだったが、9コース目にCRとなった。皮膚転移と骨転移があった患者では9コース目でPRが見られた。もう1人の骨転移の患者と肺転移のあった患者では4コース目と、早期にPRが認められた。

 副作用は肺転移の患者でグレード1の悪心と色素異常が認められた程度で、現在のところ重篤な副作用は見られないという。

 5FU系抗癌剤と内分泌療法の併用は、術後補助療法のACETBC 4次研究において、UFTと内分泌療法の併用が有効であることが報告されている。佐藤氏らは目標症例数(40人)に向けて今後症例を増やし、ER陽性再発乳癌における化学療法と内分泌療法の併用の有効性を確認していくとしている。