QOLが低下したHER2陽性の進行・再発乳癌に対し、経口5FU系抗癌剤のカペシタビンと抗HER2モノクローナル抗体のトラスツズマブの併用は、安全で有効性の高い治療法である可能性が示唆された。成果は7月3日から4日に東京で開催された第17回日本乳癌学会学術総会で、大阪警察病院の吉留克英氏が発表した。

 対象となった患者は、4期が4人(脳転移3人、肺転移1人)、呼吸障害を起こした3b期が1人、再発転移症例が5人。全身状態のスコアであるPSが2以上と、QOLがやや低下していた。

併用療法はファーストラインとして行われたのが6人、セカンドラインが3人、サードラインが1人で、早期に行われたケースが多かった。トラスツズマブは毎週1回投与され、投与量は初回が4mg/kg、2回目以降は2mg/kg。カペシタビンの投与は、1日当たり1650mg/m2を3週間連続して投与し、1週間休薬するスケジュールで行われた。

 治療の結果、完全奏効(CR)が4人(CR後再燃なし2人)、部分奏効(PR)が1人、長期不変(NC)2人、増悪(PD)、評価不能が3人だった。奏効率は50%、臨床利益率は70%。

 有害事象は、注射反応が1人、手足症候群が2人、食欲不振が2人だった。また、脳外科術後で片麻痺やふらつきがある患者でも、安全に併用投与できた。