胆管癌術後に補助化学療法を施行した患者の生存率は、手術単独の患者と比べて有意に良好で、ゲムシタビン、ゲムシタビン+S-1(GS)、S-1の効果は同等であったことが、レトロスペクティブな検討から示された。GS療法による術後補助化学療法の効果は、現在進行中のフェーズ2試験によって確認される予定だ。9月19日から千葉県浦安市で開催された第49回日本胆道学会学術集会で、東海大学医学部消化器外科の中郡聡夫氏が発表した。

 胆道癌に対し、術後補助化学療法の有効性を証明したランダム化比較試験(RCT)はきわめて少ない。しかし、RCTではないものの、胆道癌に対する術後補助化学療法の有効性が報告されている。日本では2013年9月より、JCOG1202試験において、根治切除後胆道癌に対する術後補助療法としてのS-1の有効性を評価するフェーズ3試験が進行中だ。

 中郡氏らは、胆管癌の予後を改善するための治療戦略として、ゲムシタビン、GS、S-1による術後補助化学療法を行ってきており、その成績をレトロスペクティブに検討した。

 対象は、2000年1月から2012年12月までに同科で切除した胆管癌患者89人のうち、術後補助化学療法の有無と薬剤が明らかな70人。治療関連死亡は除外した。ゲムシタビン、GS、S-1のいずれかを投与した術後補助化学療法群と手術単独群の生存率を検討した。

 対象の70人中、ゲムシタビンは8人(GEM群)、GSは10人(GS群)、S-1は9人(S-1群)だった。UFTも2人(UFT群)に投与されていた。手術単独は41人(手術単独群)だった。GEM群、GS群、S-1群の3群間では、患者背景に大きな差はなく、3群ともに遠位胆管癌、高分化型、UICCのII期が多く含まれていた。

 術後5年生存率は、GEM群75%、GS群67%、S-1群51%で、各群間に有意差は認めなかった。

 これらの3群にUFT群を加えた術後補助化学療法群29人の5年生存率は66%となり、手術単独群の41%と比較して有意に良好だった(p<0.05)。術後補助化学療法の有効性が示唆された。

 ただし、「PS不良例には術後補助化学療法が行えず、手術単独群に含まれたというバイアスは考慮しなければならない」と中郡氏は指摘した。

 中郡氏らは、2012年より、胆道癌に対する術後補助化学療法(GS療法)のフェーズ2試験を開始している。対象は、20-80歳で、組織学的に診断された胆道癌切除例(胆管癌、胆嚢癌、乳頭部癌、肝内胆管癌)。14日を1サイクルとして、ゲムシタビン800mg/m2を1日目に、S-1 65mg/m2を1-7日目まで投与し、6カ月間完了するまで施行する。主要評価項目は治療完遂割合、副次的評価項目は再発中止例を除く治療完遂割合、有害事象、無再発生存期間、全生存期間。2012年10月から2013年9月までに14人が登録され、内訳は胆管癌8人、胆嚢癌3人、乳頭部癌2人、肝内胆管癌1人となっている。