切除不能局所進行胆道癌に対するゲムシタビンシスプラチン併用療法(GC療法)は安全に施行可能で、Downsizing resectionを考慮した術前化学療法として有用性が高く、手術適応の拡大が可能になることが示唆された。9月19日から千葉県浦安市で開催された第49回日本胆道学会学術集会で、千葉大学大学院医学研究院臓器制御外科学の加藤厚氏が発表した。

 近年、化学療法の進歩により、切除不能局所進行胆道癌症例においても化学療法の著効例が認められるようになり、Downsizing resectionの可能性が示唆されている。

 切除不能局所進行胆道癌の定義は、再建不能な肝動脈浸潤、門脈浸潤、肝静脈浸潤、根治切除不能な広範胆管浸潤、門脈塞栓術を行っても残肝容量が不足する症例と考えられる(A. Kato, et al. Ann Surg Oncol. 2013;20:318-24)。

 同科では、遠隔転移を認めない切除不能局所進行胆道癌に対し、2004年からゲムシタビンを用いた化学療法を導入している。ゲムシタビンの単剤療法では、ゲムシタビン1000mg/m2を3週連続投与し、4週目は休薬として、2サイクル毎に造影CTで効果を評価し、手術の適否を検討した。

 2004年から2010年までに同院で胆道癌の治療を行った患者は391人で、このうちゲムシタビンを用いてDownsizing chemotherapyを行った患者は22人(年齢中央値65.3歳、男性12人)だった。内訳は、肝内胆管癌7人、肝外胆管癌8人、胆嚢癌7人だった。切除不能理由(重複例を含む)は、広範血管浸潤が18人、広範胆管浸潤が2人、予定残肝容量不足が5人だった。RECISTによる評価では、部分奏効(PR)は3人(14%)、安定状態(SD)は11人(50%)で得られた。

 22人中、9人(41%)で腫瘍の縮小を認め、このうち8人(36%)が根治切除に進んだ。8人中2人は5年間生存し、5年生存率は37%となり、通常の根治手術症例と比較して遜色のない成績が得られた。

 さらに2011年9月からは、切除不能局所進行胆道癌に対しGC療法を導入している。ゲムシタビンは1000mg/m2、シスプラチンは25mg/m2を2週連続投与し、3週目は休薬として、3サイクル終了ごとに造影CTで効果を評価し、手術の適否を検討している。

 GC療法によるDownsizing chemotherapyはこれまでに26人(年齢中央値63.8歳、男性11人)に行っており、内訳は、肝内胆管癌16人、肝外胆管癌5人、胆嚢癌5人だった。PRは6人(23%)、SDは15人(58%)で得られた。

 腫瘍の縮小を認めたのは13人(50%)となり、これまでに7人(27%)が根治切除に進んだ。7人の内訳は、肝内胆管癌4人、肝外胆管癌(肝門部胆管癌)1人、胆嚢癌2人だった。化学療法の平均期間は6.6カ月だった。

 GC療法の副作用として、グレード3以上の好中球減少、白血球減少、血小板減少、貧血などが多く発現したが、ゲムシタビンの減量などで管理可能であり、加藤氏は「忍容性が高い治療と考えられる」とした。

 そして加藤氏は「Downsizing resectionを目的とした化学療法として、現在はGC療法を施行している。根治切除が可能となる症例があり、化学療法とそれに続く積極的な外科切除により、長期生存が期待できる」と述べた。