濾胞性リンパ腫の初回治療として、リツキシマブ皮下注射はリツキシマブ静脈注射と同等の効果を示すことが、無作為化フェーズ3試験であるSABRINA(BO22334)試験で明らかになった。6月19日から22日までスイスLuganoで開催された第12回International Conference on Malignant Lymphoma(ICML2013)で、英国University of Southampton Faculty of MedicineのA. Davies氏らが発表した。

 濾胞性リンパ腫の初回治療には、リツキシマブと化学療法の導入療法およびリツキシマブの維持療法が行われているが、現在はリツキシマブは静脈注射で投与され、投与には数時間を要する。一方、皮下注射の場合は5分ですみ、患者にとって利便性が高く、費用対効果も改善すると考えられている。

 試験は、2つのステージに分けられており、今回はステージ1の結果が報告された。対象は未治療のCD20陽性濾胞性リンパ腫(グレード1-3a)患者127人。主要評価項目は、導入療法7サイクル目の21日時点におけるリツキシマブ静脈注射での血中濃度トラフ値に対する皮下注射でのトラフ値の比率とした。副次評価項目は導入療法におけるAUC(血中濃度曲線下面積)および導入療法終了時の奏効率と設定された。

 患者には、導入治療として、3週おきに、標準的な化学療法(担当医師の判断でCHOP療法もしくはCVP療法)とリツキシマブ375mg/m2の静脈注射(静脈注射群)もしくはリツキシマブ1400mgの皮下注射(皮下注射群)を8サイクル行った。なお皮下注射群では、1サイクル目はリツキシマブ静脈注射と化学療法を、2サイクル目から皮下注射と化学療法を行った。

 CHOP療法は、シクロフォスファミド(750mg/m2、1日目)、ドキソルビシン(50mg/m2、1日目)、ビンクリスチン(1.4mg/m2、1日目)、プレドニゾン(100mg、1-5日目)を投与。CVP療法は、シクロフォスファミド(750mg/m2、1日目)、ビンクリスチン(1.4mg/m2、1日目)、プレドニゾン(40mg/m2、1-5日目)を投与した。

 静脈注射群は63人、皮下注射群は64人で、血中濃度トラフ値はそれぞれ48人、54人で評価された。また安全性は65人、62人で評価された。両群ともCHOP療法を受けた患者は63%、CVP療法を受けた患者は37%であった。

 結果、皮下注射群のトラフ値は静脈注射群よりも高く、導入療法7サイクル目の21日時点でのトラフ値の比率は1.62(90%信頼区間:1.36-1.94)であった。信頼区間の下限を0.8と設定していたことから、「3週おき投与において皮下注射の非劣性が示された」とした。またAUCについても、皮下注射は静脈注射と同程度であった。

 有害事象の発生頻度は、皮下注射群と静脈注射群で同じであった。主なグレード3/4の有害事象は好中球減少で、静脈注射群が22%、皮下注射群が26%だった。グレード3/4の感染症はそれぞれ9%、5%で認められた。治療関連死はなかった。

 投与関連反応(ARR)は皮下注射で高かったが、その9割以上はグレード1/2であった。紅斑(全グレード)が静脈注射群で3%、皮下注射群で8%、そう痒症がそれぞれ3%、6%、悪寒が6%、3%、注射部位の紅斑が0%、10%、嘔吐が6%、3%だった。

 体表面積(BSA)で3群に分けたところ、BSAが最も小さく、薬剤暴露が大きいと考えられる患者でも、皮下注射により毒性が高くなることはなかった。

 導入治療終了時の奏効率は、試験担当医師による評価では、静脈注射群が84.4%、皮下注射群が90.5%で、CR/CRuは29.7%、46.0%だった。独立評価委員会の評価ではそれぞれ87.5%、85.7%であり、CR/CRuは18.8%、27.0%だった。このため「皮下注射によってリツキシマブの抗腫瘍効果は低下しない」とした。またBSAが大きい患者では、静脈注射よりも皮下注射でより奏効率が高かった。

 ステージ2は280人を追加して実施される。ステージ1の患者は引き続き、リツキシマブの静脈注射もしくは皮下注射による維持療法を受ける。