低悪性度リンパ腫に対してベンダムスチン(B)とリツキサン(R)併用の導入療法を行う際には、CD4陽性細胞数に注意し、感染症の可能性を考慮した適切な支持療法が重要であることが明らかとなった。BR併用療法の感染症について調べる前向き無作為化多施設試験StiL NHL 7-2008(MAINTAIN、NCT00877214)の初めての結果報告で示されたもの。6月19日から22日までスイスLuganoで開催されている第12回International Conference on Malignant Lymphoma(ICML2013)で、ドイツUniversity Hospital GiessenのChristoph Alexander Burchardt氏によって発表された。

 StiL NHL 7-2008では、濾胞性リンパ腫患者は6サイクルのB-R併用療法、2サイクルのR療法を行った後、2年間R療法を受ける群と4年間R療法を受ける群に無作為割り付けされた。ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、辺縁帯リンパ腫、マントル細胞リンパ腫の患者は6サイクルのB-R併用療法、2サイクルのR療法を行った後、2年間R療法を受ける群と観察群に無作為割り付けされた。

 この試験の副次的評価項目は、免疫パラメーターを評価することで、液性免疫、細胞性免疫の動態、日和見感染、肺炎球菌、破傷風に対する抗体の弱化、長期毒性(2次癌)について、B-R導入療法の前後、Rのメンテナンス療法中の6カ月ごと、観察期間中の6カ月ごとについて評価することになっている。

 具体的なパラメーターとしては、完全血球算定、CD4陽性、CD8陽性細胞数、B型肝炎血清検査(必要であればHBVのPCR検査)、免疫グロブリンレベル、肺炎球菌に対する抗体力価、破傷風菌に対する抗体力価、感染性合併症だった。
 
 今回は導入療法後の変化について発表された。1060人の患者が2009年4月から2012年7月までに、ドイツとオーストリアの132施設でB-Rの6サイクル導入療法を完了した。947人(89%)で免疫パラメーターの評価が可能だった。947人は全血球数、CD4陽性細胞、CD8細胞の測定が可能だった。742人(70%)は免疫グロブリンレベルの測定が可能、359人(34%)は破傷風菌に対する抗体力価の測定が可能、417人(39%)は肺炎球菌に対する抗体力価の測定が可能だった。

 全患者の年齢中央値は67歳、マントル細胞リンパ腫患者では73歳だった。女性が429人、男性が518人。503人(53.1%)が濾胞性リンパ腫、136人(14.4%)がヴァルデンストレームマクログロブリン血症、135人(14.2%)がマントル細胞リンパ腫、118人(12.5%)が辺縁帯リンパ腫、55人(5.8%)が小リンパ球性リンパ腫だった。

 導入療法の白血球細胞は、どの種類の細胞も療法後に減少していたが、特にCD4陽性細胞数は導入前555/μLが118μLと減少が顕著だった。免疫グロブリンについては各種でわずかに減少していたが、28人(3.8%)でIgGが50%超、導入療法後に低下した。また7人(0.9%)でIgGは3g/L未満となった。肺炎球菌、破傷風菌に対する抗体価は導入療法後にわずかに低下していたが、肺炎球菌では359人中2人で完全な免疫消失が起き、破傷風菌では417人中13人で0.11 IU/mL未満に低下した患者がいた。2次癌は16人(1.5%)で認められた。

 感染症の発現は、全体で24%だった。94人(8.8%)が不明熱、肺炎が46人(4.3%、うち3人死亡)、敗血症22人(うち9人死亡)、B型肝炎1人(死亡)、進行性多巣性白質脳症 (PML)が4人(死亡)、その他の感染症合併症が78人だった。