オーロラAキナーゼ(AAK)阻害剤であるMLN8237は、再発・難治性アグレッシブB細胞およびT細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)に対して、忍容性があり、抗腫瘍効果もあることが多施設フェーズ2試験で明らかになった。T細胞NHLの奏効率は57%だった。米University of RochesterのJ. W. Friedberg氏らが、6月15〜18日にスイス・ルガノで開催された第11回国際悪性リンパ腫会議(ICML2011)で発表した。

 オーロラAキナーゼ(AAK)はセリン・スレオニンキナーゼで、細胞分裂に重要な役割を果たす。びまん性大細胞型B細胞非ホジキンリンパ腫(DLBCL)などのアグレッシブB細胞NHLおよびT細胞NHLで、AAK の過剰発現が認められており、AAKの阻害によって、細胞分裂異常やアポトーシス、細胞老化を誘導すると考えられている。

 対象は、再発・難治性アグレッシブB細胞NHLおよびT細胞NHL患者。MLN8237は21日おきに50mgを1日2回、7日間投与した。

 48人が登録され、年齢中央値は69歳(32〜85歳)、ECOG PS 1の患者が52%を占め、ステージ2が25%、ステージ3が48%、ステージ4が21%だった。また48人のうち、DLBCLが21人、マントル細胞リンパ腫が13人、transformed follicular lymphoma(濾胞性リンパ腫から進展したリンパ腫)が5人、バーキットリンパ腫が1人、T細胞リンパ腫が8人だった。

 前治療数の中央値は3レジメン(1〜11レジメン)で、自家幹細胞移植(ASCT)を11人が受けており、プラチナ系抗癌剤による治療は32人、ベンダムスチンによる治療は7人だった。また放射線療法は17人が受けていた。

 抗腫瘍効果は41人で評価された。奏効率は32%(95%信頼区間 18-48)、完全寛解(CR)が12%、部分寛解(PR)が20%で、病勢安定が39%、病勢進行が29%だった。CRとPRと判定された患者は、DLBCLでは3人(20%)、マントル細胞リンパ腫では3人(23%)、transformed follicular lymphomaでは2人(40%)、バーキットリンパ腫では1人(100%)、T細胞リンパ腫では4人(57%)だった。

 グレード3以上の有害事象は、好中球減少が65%(31人)で、うち7人は発熱性好中球減少が見られた。グレード3以上の血小板減少が31%、口内炎が15%、倦怠感が6%だった。非血液毒性では、倦怠感(65%)や下痢(60%)、脱毛(48%)、傾眠(44%)、口内炎(38%)、悪心・嘔吐(33%)が見られた。

 24人(50%)は有害事象のため40mg1日2回投与に減量し、5人は30mg1日2回投与に減量したが、4人の患者は治療を1年以上続けることができた。これらのことから、再発・難治性のアグレッシブリンパ腫において、「MLN8237の毒性は管理可能だった」とした。

 Friedberg氏によれば、MLN8237に関して、再発・難治性T細胞リンパ腫を対象にしたSWOG/Intergroupのフェーズ2試験や、B細胞リンパ腫を対象にMLN8237とリツキシマブ、ビンクリスチン併用のフェーズ1/2試験が進められている。