欧米に比べて日本や韓国、中国など東アジアで多く、悪性度が高いNK細胞リンパ腫の発症には、染色体6q上のPRDM1FOXO3遺伝子が関与している可能性のあることが、遺伝子発現解析と遺伝子機能解析から明らかになった。愛知県がんセンター研究所遺伝子医療研究部の加留部謙之輔氏らが、6月15〜18日にスイス・ルガノで開催された第11回国際悪性リンパ腫会議(ICML2011)で発表した。

 加留部氏らは、NK細胞リンパ腫の分子病態を検討するため、オリゴCGH アレイ法と包括的遺伝子発現プロファイルを用いて、節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻型27例とaggressive NK細胞白血病8例を解析した。

 その結果、染色体6q21には7つの遺伝子(POPDC3、PREP、PRDM1、ATG5、AIM1、LACE1、FOXO3)が高頻度に欠損していることが示された。また6qには癌抑制遺伝子として知られるA20とHACE1の欠損が28〜31%に認められた。

 オリゴCGH アレイ法で、正常のNK細胞での発現量と比べた結果、A20、FOXO3、HACE1、PRDM1、ATG5、PREP、LACE1、AIM1の順に発現量が少ないことが示された。なおPOPDC3は正常NK細胞では発現しなかった。このためA20、FOXO3、HACE1、PRDM1、ATG5、PREP、LACE1の7遺伝子について機能解析を行った。

 テトラサイクリンを用いたTet-OFFシステムによってNK細胞にそれら7遺伝子を導入した結果、PRDM1とFOXO3を導入した場合のみ、NK細胞の増殖が抑制された。このことから、「PRDM1とFOXO3のダウンレギュレーションは、NK細胞リンパ腫の病態として重要な役割を果たしている」と加留部氏は述べた。