CD16の遺伝子多型には抗体に親和性が高いタイプと低いタイプがある。NK細胞の活性を誘導するリツキシマブの作用は、これらのCD16遺伝子多型によって異なることが、リンパ腫患者を対象にした研究で確認された。6月15〜18日にスイス・ルガノで開催された第11回国際悪性リンパ腫会議(ICML2011)で、米University of Iowa, Holden Comprehensive Cancer CenterのGeorge J. Weiner氏らが発表した。

 CD16の遺伝子多型のうち、158F型は抗体との親和性が低く、158V型は親和性が高いことが知られている。そこでCD16の遺伝子多型が、患者のNK細胞の活性を誘導するリツキシマブの作用にどのように影響を与えるか検討された。

 過去6カ月以内にリツキシマブや化学療法を受けていないリンパ腫患者21人の末梢血サンプルが用いられた。診断時の年齢が63歳未満の患者は10人、63歳以上の患者は11人。マントル細胞リンパ腫が3人、濾胞性リンパ腫が5人、びまん性大細胞性B細胞性リンパ腫が4人、B細胞性リンパ腫NOSが2人、形質細胞性リンパ腫が1人、キャッスルマン病が1人、小リンパ球性リンパ腫が3人、濾胞性中心リンパ腫(diffuse follicle center)が2人だった。

 リツキシマブ投与前と標準用量リツキシマブ投与後4時間に血液検査を行い、NK細胞の数、NK細胞の活性を調べた。NK細胞の活性はCD54 bright NK細胞の割合で評価した。

 その結果、VF・VV型の患者(10人)ではリツキシマブ投与後のNK細胞の割合は、投与前に比べて減少したが、FF型では変化がなく、VF・VV型とFF型では有意な違いが見られた(p=0.035)。また、NK細胞の活性はVF・VV型の患者では約3倍まで増加したが、FF型では増加は見られず、2群間に有意差が認められた(p=0.0234)。

 このことから、Weiner氏は「親和性が高いVF・VV型の患者では、NK細胞の活性はリツキシマブ投与後4時間以内に起こるが、親和性の低いFF型の患者では認められなかった」とし、「リツキシマブにより誘導されたNK細胞の活性の違いが、親和性が高い患者と低い患者での臨床効果の違いにつながる」と述べた。