化学療法の治療歴がない進行・再発肺扁平上皮癌の患者を対象として、S-1とカルボプラチンの併用による導入療法とS-1による維持療法を検討したフェーズ2試験(OSAKA-LCSG1102)から、主要評価項目である奏効率が30.3%と、達成されたことがわかった。扁平上皮癌に焦点を当てて導入療法と維持療法を検討した初の報告となる。10月27日から30日までオーストラリア・シドニーで開催された第15回世界肺癌学会(WCLC2013)で、大阪府立病院機構大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター肺腫瘍内科の白山敬之氏が発表した。

 進行非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象にファーストライン治療を検討したLETS試験では、全生存期間(OS)において、S-1とカルボプラチンの併用療法はパクリタキセルとカルボプラチンの併用療法に非劣性であり、肺扁平上皮癌患者で良好な結果であったことが示された。一方、肺扁平上皮癌に対する維持療法の報告はこれまでなされていない。

 OSAKA-LCSG1102試験の対象は、IIIB期またはIV期の扁平上皮癌で、PS 1以下の患者とした。導入療法では、21日を1サイクルとして、カルボプラチンはAUC5、S-1は80mg/m2を14日間投与し、4サイクル施行した。その結果、安定状態以上の効果が得られた患者にS-1 80mg/m2による維持療法を行い、進行、受容不能な毒性の発現まで継続することとした。S-1の用量は、体表面積とクレアチニンクリアランス値を指標として決定した。主要評価項目は奏効率だった。

 35人が登録され、このうち33人で解析が行われた。年齢中央値は72歳、男性が97%、ECOG PS 1の患者が88%、IV期の患者が76%を占めた。クレアチニンクリアランス推定値は、60mL/分が70%、40mL/分以上60mL/分未満が27%、30mL/分以上40mL/分未満が3%だった。

 導入療法のサイクル数中央値は4(範囲:1-4)、4サイクル完遂した患者の割合は60.6%、薬剤に関連する毒性で治療を中止したのは6.1%だった。維持療法を受けたのは10人(30.3%)で、維持療法のサイクル数中央値は3(範囲:1-13)、薬剤に関連する毒性で治療を中止した患者はいなかった。

 主要評価項目である奏効率は、部分奏効(PR)が10人で得られ、30.3%(95%信頼区間:15.6-48.7)となった。病勢コントロール率は75.8%だった。

 無増悪生存期間(PFS)中央値は、導入療法では3.9カ月(95%信頼区間:3.2-4.5)、維持療法では6.0カ月(同:4.2-9.0)となった。現時点でのOS中央値は12.6カ月となっている。

 グレード3または4の有害事象は、導入療法では、血液毒性として血小板減少(21.3%)、好中球減少(12.1%)、非血液毒性として食欲不振(12.1%)などが観察された。維持療法では、白血球減少、好中球減少、貧血が各10%に観察された。

 今後、フェーズ3のランダム化試験(WJOG7512L試験)では、化学療法未施行のIIIB期またはIV期の肺扁平上皮癌の患者を対象として、カルボプラチンとS-1の併用療法を施行後、S-1による維持療法と支持療法(BSC)を比較し、維持療法へのランダム化からのPFSが評価される予定である。

 白山氏は「本試験の主要評価項目である奏効率は達成された。この治療戦略は有効であり、実現可能性がある」と結論している。