EGFR-TKIによるファーストライン治療が無効となったEGFR変異陽性の非扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)に対し、ベバシズマブと標準治療(カルボプラチン、パクリタキセル)の併用により、奏効率は40%となり、主要評価項目には達しなかったが、無増悪生存期間(PFS)は良好な結果が得られたことが、多施設共同フェーズ2試験(Hanshin0109)で明らかになった。10月27日から30日までオーストラリア・シドニーで開催された第15回World Conference on Lung Cancer(WCLC)で、刀根山病院呼吸器内科の灘波良信氏らが発表した。

 対象は、EGFR変異陽性の非扁平上皮NSCLCで、EGFR-TKIによるファーストライン治療が無効となったStage IIIB/IVまたは術後の再発例。治療は、カルボプラチン(AUC=6/5)、パクリタキセル(200mg/m2)、ベバシズマブ (15mg/kg)を1日目に投与し、3週を1サイクルとして、これを6サイクルまで行った。その後、ベバシズマブを3週置きに病勢進行もしくは認容できない毒性の発現まで継続投与した。

 主要評価項目は独立効果判定による奏効率(RR)で、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、病勢制御率(DCR)、安全性とした。

 国内フェーズ2試験(JO19907)で、カルボプラチン、パクリタキセル、ベバシズマブ併用療法によるファーストライン治療の奏効率は60.7%、カルボプラチンとパクリタキセル併用療法では31.0%と報告されている。そこで、今回の試験では奏効率の閾値を30%、期待値を60%と設定した。

 試験には31人が登録した。他の癌が認められた1人を除く、30人に対して治療を行った。患者の年齢中央値は64歳(45-74歳)で、男性が11人、女性が19人。PS 0が9人、PS 1が21人で、非喫煙者が18人、喫煙者が12人。EGFR変異はexon19欠失変異が19人、exon21 L858R変異が11人だった。

 この結果、抗腫瘍効果は、PRが12人、SDが13人、NEが3人、PDが2人で、RRは40%(95%信頼区間:22-58)、DCR は83%(同:70-97)となった。またPFS中央値は181日(95%信頼区間:143-214)だった。

 主なグレード3/4の有害事象は、呼吸困難が1人、発熱性好中球減少症が6 人、高血圧が3人だった。グレード5の患者はいなかった。

 ベバシズマブによる維持療法を行った患者は20人(66.7%)で、維持療法を5サイクル以上行った患者は8人であった。

 以上の結果から、EGFR-TKI抵抗性EGFR遺伝子変異陽性の非扁平上皮NSCLCにおいて、「カルボプラチン、パクリタキセル、ベバシズマブ併用療法によるセカンドライン治療の奏効率は、ファーストライン治療の奏効率よりも低いが、E4599試験と同程度であった」とした。また「PDが少なく、PFSも良好であったことから、この3剤併用療法はセカンドライン治療の1つの選択肢と考えられる」と灘波氏は述べた。

[訂正]11/6に以下の訂正をしました。
発表者の名前に誤りがありました。難波良信氏とありましたが、正しくは灘波良信氏でした。