化学療法の治療歴がない進行非扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)の70歳以上の患者に対し、カルボプラチンAUC5とペメトレキセド500mg/m2の併用療法は有望であるが、腎機能障害を有する患者ではペメトレキセドの減量が必要となる可能性があることが、熊本胸部腫瘍研究機構(KTOSG)によるフェーズ1のKumamoto Thoracic Oncology Study Group Trial 1002(KTOSG1002)から示された。10月27日から30日までオーストラリア・シドニーで開催されている第15回世界肺癌学会(WCLC2013)で、熊本大学医学部附属病院呼吸器内科の佐伯祥氏が発表した。

 KTOSG1002は、進行非扁平上皮NSCLCの高齢の患者を対象として、カルボプラチンとペメトレキセドの併用療法の推奨量を確立することを目的として実施された。またこの試験では、ペメトレキセドの薬物動態を評価し、血中濃度と毒性や腎機能との関連も評価した。

 対象は、70歳以上で化学療法の治療歴がない進行非扁平上皮NSCLCの患者で、ECOG PSは1以下であることとした。

 カルボプラチンとペメトレキセドの併用療法は、3週毎に最大6サイクルまで施行した。患者を3つのレベルに分け、レベル1ではカルボプラチンAUC4、レベル2ではカルボプラチンAUC5、レベル3ではカルボプラチンAUC6とし、それぞれペメトレキセド500mg/m2と併用した。3人中2人、または6人中2人以上に用量制限毒性(DLT)を認めた場合、そのレベルを最大耐用量(MTD)、1つ下のレベルを推奨量(RD)とすることとした。各レベルで3人中1人にDLTを認めた場合、さらに3人を追加して同じ用量で投与した。

 レベル1は3人、レベル2は4人、レベル3は6人となった。年齢中央値はそれぞれ73歳、72.5歳、77歳、男性はそれぞれ1人、4人、5人だった。全例腺癌でIV期だった。

 DLTはレベル1および2では認めなかった。レベル3に最初に登録された3人のうち、1人にDLTとしてグレード3の感染症を認めたが、その後追加された3人ではDLTは認めなかった。この試験ではMTDには到達しなかったが、レベル3ではグレード3以上の血液毒性が発現し、最終的にRDはカルボプラチンAUC5、ペメトレキセド500mg/m2と決定した。

 グレード3以上の毒性として、レベル1では好中球減少(2人)、レベル3では好中球減少(3人)、血小板減少(4人)、感染症(1人)が観察された。

 全対象において、奏効率は15.3%、病勢コントロール率は76.9%となった。無増悪生存期間(PFS)中央値は3.9カ月だった。

 ペメトレキセドの薬物動態の検討では、ペメトレキセドのAUCの平均値は171.3h・μg/mLだった。13人中6人のAUCは150 h・μg/mLを超えており、これらの患者を「高値群」とした。高値群では6人中5人のクレアチニンクリアランス(CCr)値が50-59mL/分未満だった。ペメトレキセドのAUCが13人中最も高値(294.4h・μg/mL)だった患者は、CCr値が最も低値(50mL/分)で、DLT(グレード3の感染症)が発生した患者だった。また、好中球減少や血小板減少などのグレード3の事象も、高値群で多く観察された。