エルロチニブの75歳以上の既治療高齢者非小細胞肺癌(NSCLC)に対する忍容性と効果は、若年者に比べて明らかに劣ることはないことが日本におけるエルロチニブの特定使用成績調査(全例調査)の追加解析の結果により示された。10月27日から31日までオーストラリア・シドニーで開催されている世界肺癌学会(WCLC2013)で、大阪警察病院の木庭太郎氏によって発表された。

 2007年12月から2009年10月までに再発/進行NSCLC患者でエルロチニブの投薬を国内で受けた全患者が登録された。エルロチニブの効果と安全性について、年齢が75歳未満のグループA、75歳から84歳のグループB、85歳以上のグループCに分けて解析が行われた。無増悪生存期間(PFS)中央値の見積もりにはカプランマイヤー法が利用された。

 10708人の患者が登録され、そのうち9907人のデータが追加解析の安全性解析に利用された(グループAが7848人、グループBが1911人、グループCが148人)。安全性のデータは調査票によりエルロチニブ投与開始後1カ月目、6カ月目、12カ月目に集められた。

 ベースラインの患者背景(組織型、喫煙状態、全身状態など)は各群で明らかな偏りは認めなかった。

 非血液学的毒性は各群間で大きな差は認められなかった。グレード1から4の血液学的毒性(好中球減少症/白血球減少症/貧血/血小板減少症)はいずれの群でも1.0%未満だった。グレード5の毒性はグループAで2.0%、グループBで2.3%、グループCで2.7%に起きた。

 9651人のデータが有効性の解析に利用された。グループA(7701人)のPFS中央値は65日(95%信頼区間:62-68)、グループB(1815人)は74日(同:69-82)、グループC(135人)は72日(同:56-93)で同等な結果だった。

 EGFR-TKIの効果が良いとされる臨床状態の患者(腺癌/非喫煙者/PS 0-2/セカンドラインかサードライン)で、ゲフィチニブの投与を受けていない患者のPFS中央値はグループA(651人)が176日(95%信頼区間:152-198)、グループB(180人)が213日(同:172-261)、グループC(14人)が341日(同:205-NR)だった。

 PS 0-2の患者に絞ると、PFS中央値はグループA(7081人)が71日(95%信頼区間:68-74)、グループB(1694人)が80日(同:73-88)、グループC(117人)が80日(同:66-117)だった。PS 3-4では、PFS中央値はグループA(610人)が24日(95%信頼区間:22-28)、グループB(116人)が25日(同:22-37)、グループC(18人)が27日(同:13-37)であり、いずれも同等だった。

 木庭氏は「本追加解析の結果をふまえ、エルロチニブは高齢者のNSCLC患者の治療選択肢の1つとして考えることができる」とした。