抗MET抗体onartuzumabMetMAb)が日本人の固形癌またはMET陽性非小細胞肺癌(NSCLC)に有効である可能性が明らかとなった。国内で行われたフェーズ1a/1b試験で忍容性と一部の患者で抗腫瘍効果が認められたもの。10月27日から31日までシドニーで開催されている世界肺癌学会(WCLC2013)で、国立がん研究センター中央病院の堀之内秀仁氏によって発表された。

 実施された試験は2ステージからなり、onartuzumab及びonartuzumabとエルロチニブ併用の有効性、安全性、薬物動態を日本人で調べるものだった。1a部分では、標準的治療に難治性、または標準的治療がない進行固形癌患者を対象に、onartuzumabを3週間に1回投与した。投与用量は4mg/kg、15mg/kg、30mg/kgの3段階に分けられ、投与は病状が進行するまで行われた。2a(ステージ2)部分は、少なくとも1レジメンの白金系抗癌剤を含むレジメンの投与を受けた(EGFR-TKIは1レジメンのみ)進行MET陽性NSCLC患者に、毎日エルロチニブ150mgと3週間に1回onartuzumab 15mg/kgを投与した。

 ステージ1では9人(男性6人)が登録された。年齢中央値は68.0歳(41-75)、癌種はNSCLCが4人、大腸癌が3人、胃癌が1人、頭頸部癌が1人だった。EGFR変異型患者が1人含まれていた。用量制限毒性は認められず、30mg/kgまででは最大耐量(MTD)に到達しなかった。ほとんどの副作用はグレード1か2だったが、グレード3の副作用で低アルブミン血症が1件あり、onartuzumabの30mg/kgまでの忍容性が確認された。

 ステージ2では6人が登録された。男性が1人、腺癌が5人、EGFR野生型が3人、年齢中央値は69.0歳(34-74)だった。用量制限毒性は見出されなかった。最も多く見られた副作用は下痢(5人)だった。グレード3の深部静脈血栓症、肺塞栓、皮疹、 低酸素症、座瘡様皮膚炎、下痢、好中球減少症がそれぞれ1件ずつ見られた。薬物動態に併用による変化はなかった。

 ステージ2において2人の患者で無増悪生存期間が6カ月を超えた。METの免疫染色3+の1人で部分奏効が得られた。バイオマーカー解析で循環HGF濃度がonartuzumab投与後に約3倍となった。

 現在、日本人も参加したonartuzumab±エルロチニブの国際フェーズ3試験が進行しているという。