非小細胞肺癌(NSCLC)のEGFRの共通活性化変異とT790M変異に対して、高度に選択的で可逆的に阻害する新規EGFR-TKIであるCO-1686が有望であることが明らかとなった。進行中のフェーズ1試験の結果示されたもので、10月27日から31日までシドニーで開催されている世界肺癌学会(WCLC2013)で、フランスInstitut Gustave RoussyのJean-Charles Soria氏によって発表された。

 既存のEGFR-TKIの効果は、約60%の患者で発生する2次変異であるT790M変異によって限定的であり、野生型のEGFRも阻害するために皮疹や下痢を起こすことが問題とされている。CO-1686は共通活性化変異とT790Mを阻害するが、野生型のEGFRへの阻害活性が低いと期待されている経口TKI。

 フェーズ1試験は、まず塩基なしの薬剤をカプセル化したもので行われた。21日間を1サイクルとしてCO-1686を連日経口投与した。対象患者はすべてEGFR変異があり、既存のEGFR-TKIを投与された患者とした。患者全員が投与前28日以内に組織のバイオプシーを受け、中央検査室で遺伝子の解析を受けた。評価項目は安全性、薬物動態、有効性などだった。

 56人が投薬を受けた。年齢中央値は60歳(34-83)、女性が80%、白色人種が79%だった。遺伝子解析の結果、エクソン19欠失が32人(57%)、L858R変異が20人(36%)、その他が4人(7%)。T790M変異は39人(70%)が陽性で、12人(21%)が陰性、5人(9%)が不明。前治療レジメン数中央値は3(1-6)で、5レジメン以上を受けた患者は10人(18%)だった。前治療EGFR-TKI数は1が31人(55%)、2以上が25人(45%)だった。前治療EGFR-TKIはエルロチニブが53人(95%)、ゲフィチニブが7人(13%)、afatinib7人(13%)、dacomitinibが3人(5%)。

 投与用量として1日1回投与は150mg投与から900mgまで増加され、1日2回投与は900mgが投与されたが、最大耐量(MTD)には到達していない。1日2回900mg投与で拡大試験を行った。

 治療関連副作用で10%超発現(全グレード)したのは、吐き気、下痢、倦怠感、嘔吐、食欲減退で、大多数のものは軽度か中等度のものだった。他のEGFR-TKIとは異なり、皮疹と下痢は一般的には認められなかった。

 1日2回900mg投与群では、T790M陽性患者で抗腫瘍効果の判定が可能な患者での奏効率は67%だった。

 最近、CO-1686を臭化水素酸塩とし、薬剤供給が改善し、ばらつきも減った製剤を用いた用量増多試験が開始されており、現在、1日2回750mg投与が試みられている。臭化水素酸塩にしたCO-1686は塩基なしと比べて暴露量が8.5倍になっているという。

 日本人を対象にしたCO-1686のフェーズ1試験が、2014年早期に開始されるという。