新規ALK阻害剤LDK378が、日本人のALK転座陽性非小細胞肺癌(NSCLC)に対して有望である可能性が明らかとなった。国内で行われたフェーズ1試験の結果、忍容性と抗腫瘍効果が示されたもの。10月27日から31日までオーストラリア シドニーで開催されている世界肺癌学会(WCLC2013)で、九州がんセンターの瀬戸貴司氏によって発表された。現在、LDK378はグローバルフェーズ3が行われており、今回の試験の結果から日本も参加している。

 フェーズ1試験は、PS 0-2でALK転座陽性の、局所進行または転移を有する、標準的治療で進行したか標準的治療のできない日本人NSCLC患者を対象に、多施設オープンラベル用量増多試験で行われた。LDK378は21日間を1サイクルとして、毎日1回経口で300mgから750mgを投与された。投与は、病勢進行、忍容不能な副作用、患者のインフォームドコンセント取り下げまで行われた。

 2013年4月29日までに、用量増多パートに19人が登録された。年齢中央値は45歳(29-68)で、女性が11人。18人がFISH検査によるALK転座陽性NSCLC患者で、1人がALK遺伝子周辺に変異を持つ肺炎症性筋線維芽細胞腫(IMT)患者だった。15人のNSCLC患者は他のALK阻害剤投与の経験があり、クリゾチニブのみを受けたのが9人、その他のALK阻害剤(ASP3026、CH5424802)のみが5人、クリゾチニブとその他のALK阻害剤の投与を受けたのが2人だった。

 300mg群は3人、450mg群は6人、600mg群は4人、750mg群が6人だった。2件の用量制限毒性(DLT)が認められ、1件は600mg群のグレード3のリパーゼ上昇で、もう1件は750mgのグレード3の薬剤誘導性の肝障害だった。この結果、最大耐量(MTD)は1日1回750mgとなった。

 薬剤との関連に関わらず、すべての患者が何らかの副作用を経験した。多く見られた副作用は吐き気(18人、95%)、下痢(14人、74%)、嘔吐(14人、74%)、血中クレアチニン上昇(12人、63%)、食欲減少(10人、53%)、倦怠感(7人、37%)だった。グレード3/4の副作用は15人で見られ、多く認められたのは肝酵素上昇(2人)と腫瘍疼痛(2人)だった。9人が重篤な副作用を経験した。瀬戸氏は「他のALK阻害剤の副作用とほとんど変わらない」とした。

 18人のNSCLC患者における奏効率は56%(10人)で、全員部分奏効(PR)だった。クリゾチニブの投与経験のある患者9人中7人(2人は未確認)でPRが得られた。その他のALK阻害剤を受けた患者では、5人中3人がPRだった。薬物動態プロファイルは西洋人で見られたものと同様だった。