ステージIVの非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象としたフェーズ2試験において、ゲムシタビンとシスプラチンにポリADPリボースポリメラーゼ(PARP1)阻害剤のiniparib(BSI-201)を併用(GCI)しても、ゲムシタビンとシスプラチンの併用(GC)による奏効率を改善できなかった。7月3日から7日にかけてオランダ・アムステルダムで開催された第14回世界肺癌学会(IASLC2011)で、フランスInstitut Gustave-RoussyのBenjamin Besse氏が発表した。

 iniparibの作用機序やその他の標的は現在解明中であるが、ゲムシタビンとカルボプラチンとの併用により、トリプルネガティブ乳癌で活性がみられたケースが報告されている。

 Besse氏らは、多国籍、多施設共同の非盲検のフェーズ2試験を実施し、肺癌患者におけるGCIの有効性を検討した。主要評価項目は奏効率、副次的評価項目は安全性、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)だった。

 対象は、化学療法の治療歴がないステージIVの非小細胞肺癌(NSCLC)の患者119人。

 組織学的所見と喫煙の状態により層別化し、2対1でGCI群とGC群に割り付けた。

 GCI群では、21日を1サイクルとして、ゲムシタビン1250mg/m2を1日目と8日目に、シスプラチン75mg/m2を1日目に、iniparib 5.6mg/kgを1、4、8、11日目に、それぞれ静脈内投与した。GC群では、21日を1サイクルとして、ゲムシタビン1250mg/m2を1日目と8日目に、シスプラチン75mg/m2を1日目に、それぞれ静脈内投与した。いずれも最大6コースまで施行した。

 2010年5月から11月までに計119人が登録され、GCI群に80人(年齢中央値58歳、男性80%)、GC群に39人(同59歳、67%)が割り付けられた。ECOG PSが0と1の割合は、GCI群で61%と39%、GC群では49%と51%だった。扁平上皮癌の割合は、GCI群で71%、GC群で72%だった。

 完全奏効と部分奏効は、GCI群で1人(1%)と16人(20%)、GC群で0人(0%)と26人(26%)で、奏効率は21%と26%となった。安定状態は、GCI群43人(54%)、GC群17人(44%)だった。

 PFSは追跡期間が約4カ月と短く、ITT解析による予備的な報告となった。GCI群5.7カ月、GC群4.3カ月で、ハザード比は0.69(95%信頼区間 0.43〜1.14)となった(p=0.145)。

 安全性プロファイルは両群で同様であった。グレード3以上の好中球減少は、GCI群28人(36%)、GC群15人(39%)だった。GC群のみに有熱性の好中球減少が3人(8%)に発現した。GCI群で発現率が高かったグレード3以上の有害事象は、貧血と悪心で、貧血はGCI群12人(15%)、GC群4人(10%)に、悪心はGCI群11人(14%)、GC群1人(3%)に発現した。

 Besse氏は「PFSがGCI群で1.4カ月改善されたが、ベースラインの患者背景でPSや男女比に不均衡があることも考慮し、慎重に検討する必要がある」と話した。PFSとOSの完全なデータは今年後半に得られる予定だ。

 現在、iniparibで有用性を得られる患者を定義するためのバイオマーカーの検討が進められている。