治療歴のある非小細胞肺癌(NSCLC)患者に対し、ヒートショック蛋白90(HSP90)の阻害剤であるganetespib(STA-9090)は忍容性があり、EGFR野生型・KRAS野生型かつALK変異陽性患者では臨床効果も見られることがオープンラベルフェーズ2試験でわかった。7月3日から7日にオランダ・アムステルダムで開催された第14回世界肺癌学会(IASLC2011)で、米国Johns Hopkins UniversityのJ. R. Brahmer氏らが発表した。

 ganetespid(STA-9090)は第二世代のHsp90阻害剤で、第一世代のansamycin系のHsp90阻害剤とは構造的に異なる。前臨床でansamycin系のHsp90阻害剤に比べて、効果が高く、優れた安全性が示された。また、これまでに治療された患者およそ400人でも忍容性が認められている。

 試験は、標準的治療が不応となったステージ3B/4のNSCLCで、ECOG PS 0-1の患者を対象に行われた。4週間を1サイクルとして、ganetespid(200mg/m2)を1週間に1回、1時間で投与し、これを3週間行った。主要評価項目は、16週時点での無増悪生存(PFS)率とした。

 患者はEGFR変異型(A群)、KRAS変異型(B群)、EGFR野生型およびKRAS野生型(C群)に分けられた。試験はSimonの2段階試験デザインを用いており、各群で14人中2人以上で、治療16週時で病勢進行がなかった場合、登録患者を追加した。結果、A群が16人、B群が17人、C群が25人となった。その後、EGFR野生型およびKRAS野生型かつ腺癌の患者37人(D群)が加えられた。

 A群の年齢中央値は60歳、B群は64歳、C+D群は62歳で、男性がそれぞれ37.5%、23.5%、56.5%を占めた。ECOG PS 0が43.8%、23.5%、22.6%で、ステージ4が87.5%、100%、100%、腺癌がそれぞれ100%、88.2%、87.1%を占めた。前治療数は各群とも中央値が2レジメンだった。

 有効性は76人で評価され、16週時のPFS率は24.1%(95%信頼区間 13.6-36.1)だった。部分奏効は4人で認められ、全員がEGFR/KRAS野生型の患者だった。奏効率は5.3%、短期の病勢制御率(CR+PR+SD≧8週)は54%、長期の病勢制御率(CR+PR+SD≧16週)は21.1%だった。

 主な有害事象は、下痢、倦怠感、悪心、食欲不振、便秘、呼吸困難で、大半がグレード1/2と軽度であった。重篤な有害事象は、無力症、心房細動、心停止、下痢、リパーゼ上昇、腎不全、嘔吐が各1人に認められた。

 次に、ALK変異について調べた結果、ALK阻害剤crizotinibによる治療歴がない患者のうち、ALK変異陽性の8人中、7人は16週間以上の病勢制御が見られ、6人では腫瘍の縮小が、4人では部分奏効が認められた。さらにcrizotinibが不応となったALK変異陽性患者でも、ganetespidによる腫瘍縮小が見られ、crizotinib抵抗性患者に対する臨床効果が示唆された。

 なお、この試験ではganetespid投与で新たな病変が出現した患者に対し、ドセタキセルが追加され(E群)、その結果、原発巣ならびに新規病変はともに縮小した。現在、2次治療としてganetespidとドセタキセル併用のフェーズ2b/3試験が開始されているという。