FISH法によりALK遺伝子の転座が確認された非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象に実施されているALK、c-Met阻害剤crizotinibのフェーズ2試験(PROFILE 1005)で、患者自身による評価の結果、QOLは維持されながらNSCLCの症状が有意に改善していることが予備的な解析の結果明らかとなった。7月3日から7日にオランダ・アムステルダムで開催された第14回世界肺癌学会(IASLC2011)で、英Christie Hospital NHS TrustのF.H.Blackhall氏によって発表された。

 PROFILE 1005試験は再発、局所進行、転移を有するNSCLC(脳転移を含む)で1種以上の前化学療法歴のある患者に、crizotinib250mgを1日2回、毎日経口投与する試験。21日を1サイクルとされている。試験の評価項目には抗腫瘍効果、安全性/忍容性とならんで、癌患者の一般のQOLを評価するEORTC QLQ-C30と肺癌患者のQOLを評価するQLQ-LC13によるQOLスコアの評価も含まれている。患者自身による評価は各サイクルごとに行われ、平均スコアと臨床的に有意な変化(ベースラインから10ポイント以上変動)を調べた。

 136人の患者を対象に調査を行った。質問票遵守率は極めて高く、8サイクル目までの全サイクルで1つ以上の質問に答えた患者は90%を超えていた。2サイクル目の79.9%を例外として、8サイクル目まで80%以上の患者が全質問に回答した。

 質問に回答した患者のQOL、症状のスコアのベースラインは、他の肺癌の場合と同様だった。NSCLCの症状の中で患者が臨床的に有意に減少したとされる10ポイント以上平均で低下したものは(QLQ-C30)、早いものは2サイクル目に到達し、6サイクル目には選択した5症状(疼痛、不眠、呼吸困難、食欲低下、倦怠感)のすべてが有意に減少、8サイクル目でも維持されていた。

 肺癌に関連した症状(QLQ-LC13)で、呼吸困難、咳、腕や肩の痛み、他の部位の疼痛、胸痛について評価したところ、咳は2サイクル目から、呼吸困難は7サイクル目から、3サイクル目からはすべての疼痛が臨床的に有意に減少し、維持されていた。

 ベースラインから平均10ポイント以上上昇したと報告されたものは、2サイクル目の便秘、3サイクル目の下痢があったが、治療のコースにわたって有意に増加していたのは便秘だけだった。全体のQOLの平均は7サイクル目で10%以上増加し、治療のコース全体にわたって有意に上昇していたが、増減は少なく、QOLは治療によって維持されていたと考えられた。