微小管阻害薬ABT-157とカルボプラチンの併用療法は、前臨床試験ではアポトーシスが誘発され、カルボプラチンによる治療歴がある進行非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象としたフェーズ1/2試験では、忍容性は良好で、活性は中等度であることが示された。7月3日から7日にかけてオランダ・アムステルダムで開催された第14回世界肺癌学会(IASLC2011)で、米国Dartmouth Medical SchoolのTian Ma氏が発表した。

 ABT-751は新しい微小管阻害薬で、β-tubulinに結合して微小管の重合を阻害する。

 Ma氏らはin vitro試験ならびにフェーズ1/2試験を行い、前臨床や臨床で肺癌への抗腫瘍効果が報告されているABT-751とカルボプラチンの併用療法の効果を検討した。

 in vitro試験では、ヒトの肺癌細胞株(HOP62、A549、U1571)を用いて、ABT-751単剤療法ならびにABT-751とカルボプラチンの併用療法の有効性が検討された。主要評価項目は肺癌細胞の増殖の阻害だった。

 その結果、ABT-1とカルボプラチンの併用療法による増殖の阻害効果は、HOP62とA549ではアポトーシスの増加と関連し、さらにHOP62ではサイクリンD1の発現の減少と関連して認められた。

 続くフェーズ1/2試験では、治療歴のある進行NSCLC患者を対象に、セカンドラインまたはサードラインの治療として、ABT-751とカルボプラチンの併用療法が検討された。

 フェーズ1試験の主要評価項目は同併用療法の最大耐用量(MTD)の決定、フェーズ2試験の主要評価項目は、同併用療法を2サイクル施行した後の奏効率だった。

 カルボプラチンを含むレジメンの治療歴がある進行NSCLC患者20人(年齢中央値64歳、女性35%)が登録され、このうち19人が試験治療を受けた。前治療のレジメンの数は1が45%、2が55%だった。

 フェーズ1試験では、併用療法でカルボプラチンをAUC6で21日ごとに投与する場合、ABT-751のMTDは125mgを1日2回、7日間の投与となり、フェーズ2試験の推奨用量となった。DLTにはグレード3の疲労感(1人)、グレード4の好中球減少と血小板減少(1人)が含まれた。多く発現した有害事象は、便秘、貧血、疼痛、疲労感であった。

 フェーズ2試験では、フェーズ1試験の推奨用量で治療が行われた。同併用療法を2サイクル施行後、部分奏効は2人(11%)に認められ、安定状態となったのは7人だった。

 生存期間中央値(MST)は11.7カ月(95%信頼区間 5.9〜27.0)、無増悪生存期間(PFS)は2.8カ月(同 1.3〜5.2)だった。

 頬粘膜スワブサンプルによる治療前後の薬理学的マーカーの評価では、6人中4人において、治療前と比べて治療後にサイクリンD1の発現の低下が認められた。

 Ma氏らは「化学療法の治療歴がない患者を対象として、他の投与スケジュールで検証する必要がある」としている。