治療歴があるステージIVの非小細胞肺癌(NSCLC)に対するpaclitaxel poliglumexCT-2103)は、血清中のエストラジオールの値が30pg/mL以上またはホルモン補充療法(HRT)を併用した女性患者を対象とするフェーズ2試験において、忍容性は比較的良好だったが、無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)では過去の試験結果を改善できなかった。7月3日から7日にかけてオランダ・アムステルダムで開催されている第14回世界肺癌学会(IASLC2011)で、米国Rush University Medical CenterのM. Batus氏が発表した。

 paclitaxel poliglumex(CT-2103)は、パクリタキセルをポリグルタミン酸と結合させた高分子の癌治療薬。

 システインプロテアーゼのCapthesin Bは多くのNSCLCに発現し、CT-2103を代謝する。エストロゲンにコントロールされるため、CT-2103の生存に対する有用性は、エストラジオールの値が30pg/mLを超える女性で高いことが報告されている。

 Batus氏らはフェーズ2試験を実施し、治療歴がある進行NSCLCの女性患者を対象に、ベースラインのエストラジオールの値が30pg/mLを超える女性ではCT-2103の単剤療法を、30pg/mL未満の女性ではエストラジオールの外用剤との併用療法を評価した。主要評価項目はPFS、副次的評価項目は安全性、奏効率、OSだった。

 対象は、NSCLCのステージIVで、PSは0〜2、細胞障害性化学療法とEGFR阻害剤による治療を1回以上行った女性患者29人。患者は平均3.4回の前治療を受けており、8人は4回以上受けていた。

 本試験の治療は21日を1サイクルとし、CT-2103を21日ごとに静脈内投与した。エストラジオールの値が30pg/mL未満の患者には、エストラジオールの外用剤を併用した。奏効はRECIST基準を用いて評価し、毒性は外来受診時に評価した。進行または受容不能な毒性が発現するまで治療を継続した。

 患者はCT-2103による治療を平均2.8サイクル受け、無増悪期間(TTP)の中央値は44日、OSの中央値は223日だった。

 29人中、部分奏効は1人(3.4%)、11人(37.9%)は安定状態となった。

 これらの結果は、paclitaxel poliglumexのセカンドライン治療を検討した過去のフェーズ3試験などの結果を改善するものにはならなかった。

 重篤な毒性は報告されず、6人(20.6%)でグレード1または2の末梢神経障害が認められた。脱毛やアレルギー性反応はみられなかった。